4 / 7 [金] 公開
<あらすじ>
土星から降臨した太陽神であり、宇宙音楽王であり、大宇宙議会・銀河間領域の大使サン・ラーは音楽を燃料に大宇宙を旅するなか、地球と異なる理想の惑星を発見した。ただちに地球に帰還、ジャズのソウル・パワーによる同位体瞬間移動で黒人移送計画を立てるが、その技術を盗もうとアメリカ航空宇宙局の魔の手が迫る。
<サン・ラーとは?>
ハーマン"ソニー"ブラントとして地球に姿をあらわしたサン・ラー(1914-1993)は、アメリカのジャズ作曲家であり、バンド・リーダー、ピアノとシンセサイザー・プレーヤーであり、実験音楽、宇宙哲学、多作な出力、演劇で知られる詩人と哲学者だった。サン・ラーは絶えず変化する名前と柔軟なラインナップを持つアンサンブル「アーケストラ」を率いた。彼は地球でのキャリアの過程で、数十枚のシングルと百を超えるフルアルバムを録音、作曲数は1000曲をはるかに超え、20世紀で最も多作なレコーディング・アーティストの1人となった。
アラバマ州で育ったブラントは、1940年代にシカゴのジャズ・シーンに参加するようになる。彼はすぐに出生名を放棄、エジプトの太陽神にちなんでサン・ラーと名乗り、自身をアフロフューチャリズムの先駆者とする複雑なペルソナと神話を開発した。彼の幅広く折衷的で前衛的な音楽は、スウィング・ミュージックやビバップからフリー・ジャズやフュージョンに至るまで、事実上ジャズの歴史全体に影響を与え、彼の作曲はキーボード・ソロから30人以上のミュージシャンのビッグバンドにまで及んだ。
1950年代半ばから93年に地球を去るまで、サン・ラーは音楽集団アーケストラ(マーシャル・アレン、ジョン・ギルモア、ジューン・タイソンなどのアーティストをフィーチャーした)を率いた。そのパフォーマンスには、古代エジプトの服装と宇宙時代に触発された精巧で未来的な衣装を着たダンサーやミュージシャンが含まれることが多かった。
サン・ラーはメインストリームでの商業的成功は限られていたが、多作のレコーディング・アーティストであり、ライヴ・パフォーマーであり、彼の音楽とペルソナに関して生涯を通じて影響力と物議を醸し続けた。サン・ラーは現在、広く革新者と見なされている。なおサン・ラーは1937年頃、突然強く明るい光に包まれ、一時的に土星にテレポートしている。UFOによる誘拐事件が広く報道され、人類が宇宙人を意識し始める20年以上も前の話である。サン・ラーは1988年に一度来日したことがある。