9 / 5 [金] 公開
脚本は、「ずっと前から子ども同士の人間ドラマを書きたいと思って」いたという高田亮。シリアスなサスペンスからラブコメディまで幅広いジャンルを手がける高田が、小学校への取材を重ね、オリジナル脚本を書きあげた。
監督は、昨年9年ぶりの長編監督作品となる『ぼくが生きてる、ふたつの世界』を発表し、国内外で高評を得た呉美保。呉監督もまた、「ありのままの子どもを思いっきり描きたい!」と長年願っていたという。
『そこのみにて光輝く』『きみはいい子』の黄金コンビが描き出すのは、今の日本の「ふつうの子どもたち」。クラスで飼っているカナヘビの餌を探しながら学校へ向かう通学路、教室の片隅で誰かがケンカを始める休み時間、友達と連れ立って塾に通う放課後など、ごくふつうの毎日。一見変哲のない日常に見えるけれど、そこは恋アリ、冒険アリ、"環境活動"アリの、"事件"だらけ。そんな毎日を全力で生きる唯士たちのドキドキ・モヤモヤ・ハラハラは、かつて私たちが過ごした日々の感情、そして成人した今のそれとも重なり合い、10才の世界と大人の世界は地続きで、考えていることは案外変わらないのかもしれないと気付かせてくれる。
上田唯士(うえだ・ゆいし)、10才、小学4年生。両親と三人家族、おなかが空いたらごはんを食べる、いたってふつうの男の子。最近、同じクラスの三宅心愛(みやけ・ここあ)が気になっている。環境問題に高い意識を持ち、大人にも臆せず声を挙げる彼女に近づこうと頑張るが、心愛はクラスの問題児、橋本陽斗(はしもと・はると)に惹かれている様子。そんな三人が始めた“環境活動“は、思わぬ方向に転がり出して――。