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記憶の技法

東京、福岡、釜山 ―— わたしの帰る場所はどこ?美しくも残酷な記憶をめぐるミステリー

東京に住むごく普通の女子高校生、鹿角華蓮(かづの・かれん)は、奇妙な記憶喪失癖に悩んでいた。幼少期の記憶の断片が不意に脳裏をよぎり、しばしば意識が飛んでしまうのだ。そんなある日、韓国への修学旅行のためにパスポート申請用の戸籍抄本を手にした華蓮は、自分に"由(ゆかり)"という姉がいたことを知る。しかも由は4歳の時に死亡し、華蓮は"松本"という家から今の両親に引き取られた事実が判明。本当の親はどこにいるのか。なぜ、自分は養子として出されたのか。そのすべてを知りたい華蓮は嘘をついて修学旅行をキャンセルし、出生地の福岡県福岡市へ旅立つ。そのルーツ探しに協力してくれた青い瞳を持つ同級生、穂刈怜(ほがり・さとい)とともに現地調査を行う華蓮は、失われた記憶のピースをたぐり寄せながら、想像を絶する真実に迫っていくのだった......。

代表作「少年は荒野をめざす」「ジュリエットの卵」「恋愛的瞬間」のほか、いくつもの心揺さぶる珠玉の傑作漫画を世に送り出し、2016年に急逝した吉野朔実。このたび2002年の同名中編漫画を原作とする映画『記憶の技法』が完成。ファンにとっては待望の吉野ワールド、初の実写映画化が実現した。

このうえなく繊細にして奥深い吉野ワールドの映画化に挑んだのは、先頃『スパイの妻』でヴェネチア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)を受賞した巨匠、黒沢清の愛弟子である池田千尋監督。主演はダンス&ボーカルグループ「E-girls」 のパフォーマーであり、女優としての活躍も目覚ましい石井杏奈。

原作
:吉野朔美『記憶の技法』(小学館刊)
監督
:池田千尋
キャスト
:石井杏奈、栗原吾郎、柄本時生