⼈気⼩説家美倉洋介は、新宿駅の⽚隅でホームレスのような酔払った少⼥ばるぼらに出会い、つい家に連れて帰る。⼤酒飲みでだらしないばるぼらだが、美倉はなぜか奇妙な魅⼒を感じて追い出すことができなかった。彼⼥を⼿元に置いておくと不思議と美倉の⼿は動きだし、新たな⼩説を創造する意欲がわき起こるのだ。ばるぼらはあたかも芸術家を守るミューズの
ようだった。その⼀⽅、美倉はエロティックで異常な幻覚に悩まされる。次第に彼の周囲は現実離れしてゆく。ついに美倉はばるぼらとの結婚を決意するが、それは同時に破滅への⼊⼝だった。