陽気な冒険喜劇や暗黒街映画が続いたベルモンドが、『市民ケーン』(41)を思わせる冷徹な権力者の一代記にして、マフィア映画並の抗争と謀略に満ちた国際経済の闇を描いた硬質なポリティカル・サスペンスに挑んだ野心作。
◆ストーリー◆
新聞社と鉄鋼会社を経営する欧州屈指の巨大企業集団コーデル・グループの社長ユーゴ・コーデルが飛行機事故のために死亡、その一人息子でアメリカ支社の代表をしていたバートがフランスに呼び戻された。彼は空港で麻薬の不法所持の疑いをかけられるが、それは彼が相続する遺産と権力をめぐる巨大な陰謀の第一歩に過ぎなかった。
<1973年・フランス、イタリア合作映画/フランス語/カラー/ヨーロピアン・ヴィスタサイズ/112分>