上映作品

【12色のホン・サンス】それからThe Day After

  • 第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品

「人生はままならぬ。」

アルム(キム・ミニ)は、著名な評論家でもあるボンワン(クォン・ヘヒョ)が社長をつとめる小さな出版社"図書出版 カン"に勤めることになった。
ボンワンは、毎朝4時半に起きて出勤し夜遅くまで帰らないことで、妻に浮気を疑われている。アルム初出勤の日、事務所に踏み込んできた女に、アルムはいきなり殴られた。浮気の証拠を見つけたボンワンの妻(チョ・ユニ)が、アルムを夫の愛人だと勘違いしたのだ。追い詰められたボンワンは、不倫の相手は外国に行ってしまい、居場所は知らないと答える。

夜、ボンワンはアルムをお詫び代わりに食事に連れて行く。アルムは仕事を辞めると告げるが引き止められる。ところがそこに、アルムの前任者でボンワンの浮気相手であるチャンスク(キム・セビョク)が前触れもなく姿を現す。そして、舌の根も乾かぬうちに、二人から出版社を辞めて欲しいと頼まれるアルム。あまりの理不尽さに憤るが、アルムは数冊の本をもらい出版社を後にする。
それから......。ボンワンの評論が有名な賞を受賞した。アルムがお祝いを伝えるために、"図書出版 カン"を訪れると――。

妻に浮気を疑われているボンワン社長の出版社に勤めることになったアルムは、出勤初日に妻から不倫相手だと勘違いされ、大迷惑。さらに元社員の愛人もひょっこり戻り、思わぬ騒動に巻き込まれるが――。キム・ミニ演じるアルムは、理不尽なとばっちりを受けても、醒めた視点を持ち、動じない。家に帰りたくないある男の生活を観察したことから生まれた本作には、どこか生きづらい世の中にこそ必要とされる、そこはかとないユーモアが漂う。ホン・サンスは、最後に登場する夏目漱石の本「それから」を、映画の原題に与えた。騒動のそれからが語られるラストでは、ままならぬ人生にも清々しい一瞬があることを見せてくれる。

監督・脚本
:ホン・サンス
キャスト
:キム・ミニ、クォン・ヘヒョ、キム・セビョク