小夜は東京でファッションデザイナーの卵として暮らしていた。
そんなある日、地元に暮らす姉のあすみから連絡が入る。
それは今度結婚するという内容の電話。
「おめでとう。何て人?」
あすみは言いにくそうに名前を言った。
「布施野さん......」
名前を聞いて小夜は愕然とした。
その男は8年前にある事件を起こしていた。
本作の原作となるのは、劇作家・映像作家のマキタカズオミが主宰する劇団・elePHANTMoonが2009年に上演した同名戯曲。上演されるやいなや、出演者の鬼気迫る演技と巧みなシナリオが評判を呼び、2009年度サンモールスタジオの最優秀脚本賞を受賞した。当時の小演劇界の話題を席巻した傑作が、12年の時を経て映画で甦る。