"世界で一番美しい少年"と称賛され、一大センセーションを巻き起こした少年がいた。巨匠ルキノ・ヴィスコンティに見出され、映画『ベニスに死す』(71)に出演したビョルン・アンドレセン。来日時には詰めかけたファン達の熱狂で迎えられた。だが彼の瞳には、憂いと怖れ、生い立ちの秘密が隠されていた...。そして50年後。伝説のアイコンは、『ミッドサマー』(19)の老人ダン役となって私達の前に現れ、その驚愕の変貌ぶりは話題となる。彼の人生に何があったのか。今、ビョルンは、熱狂の"あの頃"に訪れた東京、パリ、ベニスへ向かう。それは、ノスタルジックにして残酷な、自らの栄光と破滅の軌跡をたどる旅――。
"世界で一番美しい少年"という称号は、残酷な運命を引き寄せてもいく。すべての始まりは、完璧な美を持つ少年を探していた巨匠ヴィスコンティとの出会い。そのオーディションや撮影風景、カンヌの華やかな狂騒から来日時の熱狂まで、『ベニスに死す』にまつわる豊富なアーカイブ映像が浮き彫りにする傑作の裏側。"世界で一番美しい少年"ゆえに見た天国と地獄。50年の時を経て今、真実が明かされる――。