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ベルリンのペルガモン博物館で、楔形文字の研究に没頭する学者のアルマ（マレン・エッゲルト）は、学会での発表を控えて準備に追われている。しかし、研究資金のオファーに釣られて、テラレカ社が極秘で行う" 理想の伴侶" 実証実験に参加することになった。期間は３週間。相談員（ザンドラ・ヒュラー）が案内する見合いの場所へ向かうと、紺碧の瞳でアルマを熱く見つめるハンサムなトム（ダン・スティーブンス）が待ち構えていた。トムは、全ドイツ人女性1700万人とアルマの好みがインプットされた高性能A Iアンドロイド。初対面なのに歯の浮くようなお世辞とリルケの詩ををささやながら手を重ねるキザなトムに、乗り気でなかったアルマは興ざめ。
その上､キレッキレのルンバを踊るトムが突然フリーズして係員に運び出される異常事態が発生。アルマは恋人たちが踊るダンスフロアにポツンと残され、最初の出会いは最悪の結果で終了した。
翌日。2人の奇妙な同棲生活がスタートした。研究の追い込みと1 人暮らしを続ける父の介護で頭がいっぱいのアルマは、それ以外のことに心も時間も割ける余裕などない。何かにつけ恋のきっかけを作ろうと絡んでくるトムを物置部屋に押し込み、アルマはいつもと変わらないひとりの夜を過ごすのだった。一方、アルマを幸せにするようにプログラミングされたトムにとって、冷たい反応も有益なデータのひとつ。アルゴリズムがはじき出す求愛活動をスタートさせる。資料が山積みのリビングをおしゃれに片付けて豪華なブランチを準備し、キャンドルとバラの花びらでバスルームを飾りたてるサプライズを連発！
しかし、ロマンティック大作戦は大失敗に終わった。ドイツ人女性の93％がウットリする言動はアルマには逆効果で、完璧な行動が必ずしも人間にとって正解ではないことを、トムは学習していく。
めげないトムにイラつきつつも、アルマは次第に彼の存在がささくれ立った心に潤いを与えていることに気づく。部屋に飾った写真を美しいと言ってくれたこと。雨の中、びしょ濡れで彼女の帰りを待つ健気な姿。元彼ユリアンへの大人の対応。張り詰めていた気持ちが少しずつほどけていた。しかし、トムが研究室を訪問したことで、2人の関係に大きな変化が起きる。アルマたちが必死に取り組んでいる研究を観察したトムは、同じテーマがライバルの手ですでに論文になっていると感知したのだ。3年間心血を注いだ研究が泡と消え、アルマはヤケ酒を浴びてトムに八つ当たりする。しまいには酔った勢いで暴言を吐き、強引にベッドに誘ったりと荒れ放題。絶望で自暴自棄になる彼女を紳士的になだめながら、トムのアルゴリズムは幸せへと導く最適解を導き出していた。
それは......。
