第二次世界大戦中、ユダヤ人一家のブラウデ家はボクサーの息子チャールズが非ユダヤ人女性のラグンヒルと結婚し、幸せな日々を送っていた。だが、ナチス・ドイツがノルウェーに侵攻すると状況は一変する。ユダヤ人は身分証明書にユダヤ人の印「J」のスタンプが押され、チャールズら男性はベルグ収容所へと連れて行かれ、厳しい監視のもと強制労働を強いられた。一方、取り残された母とチャールズの妻は夫や息子たちの帰りを待ちながらも、資産を接収されるなど徐々に圧力を強めてくる政府に身の危険を感じ、スウェーデンへの逃亡も準備していた。
しかし、1942年11月、ノルウェー秘密国家警察・クヌート・ロッドの指揮のもと、警官とタクシー運転手らによって、ノルウェーに住むユダヤ人全員がオスロ港へと強制移送された。何も知らずに港に連れてこられた人々の前に待ち構えていたのは、アウシュヴィッツへと向かう船"ドナウ号"だったー。