上映作品

哀しみのトリスターナ

かつての『ビリディアナ』とも重なる、老いた男と若い娘の関係を通じてスペイン社会を風刺する悲劇。

【ルイス・ブニュエル特集上映 デジタルリマスター版 男と女】

孤児トリスターナを下級貴族ドン・ロペが引き取り、やがてこの娘を愛人にする。その後トリスターナは若い画家と駆け落ちするが、病のために片脚を切断することになり......ブニュエルにとっては『ビリディアナ』(61)以来、久々に(そして最後に)全編故国スペインで撮影されたスペイン語映画。そして、メキシコ時代の1952年に構想して以来、実現までに20年近くの歳月を要した作品である。『昼顔』に続いてヒロインを演じたドヌーヴは、本作をお気に入りの主演作の一本に挙げている。ブニュエルによれば、ヒッチコックは本作のトリスターナの義足に心底魅了されていたという。

監督
:ルイス・ブニュエル
脚本
:ルイス・ブニュエル、フリオ・アレハンドロ
出演
:カトリーヌ・ドヌーヴ、フランコ・ネロ、フェルナンド・レイ、ロラ・ガオス、アントニオ・カサス