上映作品

小間使の日記

晩年のブニュエル映画に欠かせない脚本家ジャン゠クロード・カリエールが、初めて参加した作品。

【ルイス・ブニュエル特集上映 デジタルリマスター版 男と女】

右派と左派の対立が激化した30年代半ばのフランス。一風変わったモンテイユ家の田舎屋敷に、パリからやって来た魅力的な女セレスティーヌが小間使いとして雇われる......超現実的な要素を抑えた、ブニュエル作品中最もリアリスティックな作品の一つ。そのせいか、ブルジョワ風刺と社会批評もいつも以上にその辛辣度を増している。腐敗を隠し持った名誉あるブルジョワ一家の使用人たちは、彼らが仕える富裕だが活力を欠いた雇い主よりも権威主義的かつ搾取的だ。本作はモンテイユ家をフランス社会の縮図に見立てつつ、「ファシズムの勃興/邪悪なものの勝利」に暗に警鐘を鳴らす。

監督
:ルイス・ブニュエル
脚本
:ルイス・ブニュエル、ジャン=クロード・カリエール
出演
:ジャンヌ・モロー、ミシェル・ピコリ、ジョルジュ・ジェレ、フランソワーズ・リュガーニュ、ダニエル・イヴェルネル