イランの古都シラーズ。ラヒムは借金の罪で投獄され服役している。そんな彼の婚約者が偶然にも大量の金貨を拾う。借金を返済すれば出所できる彼にとって、まさに神からの贈り物のように思えた。しかし、罪悪感に苛まれたラヒムは落とし主に返すことを決意。そのささやかな善行は、メディアで大々的に報じられ、"正直者の囚人"と英雄に祭り上げられる。ところが、SNSを介して広まったある噂をきっかけに状況は一変。周囲の狂騒に翻弄され、父親を信じる無垢な吃音症の幼い息子をも残酷に巻き込んだ大事件へと発展していく。予測不可能な極上のヒューマン・サスペンスが誕生した。