1983年夏、北イタリアの避暑地。17歳のエリオは、アメリカからやって来た24歳の大学院生オリヴァーと出会う。彼は大学教授の父の助手で、夏の間をエリオたち家族と暮らす。はじめは自信に満ちたオリヴァーの態度に反発を感じるエリオだったが、まるで不思議な磁石があるように、ふたりは引きつけあったり反発したり、いつしか近づいていく。やがて激しく恋に落ちるふたり。しかし夏の終わりとともにオリヴァーが去る日が近づく......。
主人公エリオには本作が初主演のティモシー・シャラメ。相手役オリヴァーには『コードネーム U.N.C.L.E.』のアーミー・ハマー。
弱冠22歳にしてアカデミー賞主演男優賞にもノミネートされ、数々の賞に輝くシャラメは、今やレオナルド・ディカプリオ以来の実力と人気を兼ね備えた才能とセンセーションを巻き起こしている。その表情だけを映し続ける、かつてない3分30秒にも及ぶ超長回しラストショットを見終えたとき、心を揺り動かされないひとはきっといないだろう。
脚色は、映画史に残る『日の名残り』の名匠ジェームズ・アイヴォリー。本作でアカデミー賞脚色賞を受賞した。監督は『ミラノ、愛に生きる』のイタリアの俊英ルカ・グァダニーノ。89歳の名匠が17歳と24歳の青年の恋を瑞々しく描き、エリオの父が息子に語り返る台詞は、誰もが涙する本作のハイライトのひとつとなった。