近日上映作品

アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブ

1 / 4 [金] 公開

株主ご招待券不可

終りなき反逆と遊戯の果て、めくるめくエロティシズムの陶酔へ――。
<ヌーヴォー・ロマン>の旗手アラン・ロブ=グリエ、幻の映画監督作6本がついに公開!

20世紀の世界文学を揺るがした革命的なムーヴメント〈ヌーヴォー・ロマン(新しい小説)〉の代表的作家として知られるアラン・ロブ=グリエ。1953年、『消しゴム』での鮮烈デビュー以降、既存の枠組みを根底から解体する実験的な小説を次々と発表し、60年に『去年、マリエンバードで』(アラン・レネ)のオリジナル脚本執筆を機に、映画界にも参入。倒錯的なエロスとフェティッシュを描く諸作で、戦後世界文学・映画の最前線に立つカルチャー・ヒーローとして圧倒的な人気を誇りましたが、その過激でスキャンダラスな描写ゆえ輸出禁止になることもしばしば、ヨーロッパ以外での地域ではほとんど上映されることはありませんでした。没後10年となる2018年、満を持して「映画監督」としてのロブ=グリエのヴェールがはがされる時がやってきました。『囚われの美女』を除く5作品が、このほど待望の日本初の劇場公開。映画が持つ、限りない自由と快楽をご堪能ください。


『不滅の女』1024.jpg

不滅の女

イスタンブールで休暇を過ごし始めた教師の男は、陽気だがどこか謎めいた若い女と出会う。女との邂逅を重ねるうち、男は彼女の不可解さにみずからの妄執をかき立てられ…従来の「劇映画」の概念を大きく逸脱した過激な語り口が世の驚愕と憤怒を同時に招来した、いまだ「新しさ」に満ちたロブ=グリエの記念すべき監督デビュー作。

『ヨーロッパ横断特急』main (c)1966 IMEC1024.jpg

ヨーロッパ横断特急

パリからアントワープへと麻薬を運ぶ男の波乱万丈な道中を、幾重にも織重なったメタフィクションで構築し“ヨーロピアン・アバンギャルドの最重要作品”、“最も成功した、理解しやすい実験映画”と絶賛された2作目。ロブ=グリエ自身は“ポルノ映画”とうそぶく、スリラー映画の枠組みを借りてシリアスとコミカル、嘘と真実、合理と非合理の境界を軽やかに行き来する快作。

『嘘をつく男』main (c)1968 IMEC1024.jpg

嘘をつく男

舞台は、第二次大戦末期のスロバキア共和国。小さな村に、突如現れた異邦人。レジスタンスの英雄ジャンの同志だと名乗る男は、彼の妻や妹を誘惑し始める…。ボルヘスの短編「裏切り者と英雄のテーマ」(『伝奇集』)を下敷きに、ロブ=グリエが敬愛するルイジ・ピランデッロへのオマージュも込めつつ、現実と虚構のデッドゾーンへと観るものすべてを誘う。

『エデン、その後』main (c)1970 IMEC1024.jpg

エデン、その後

「カフェ・エデン」にたむろして退廃的な遊戯や儀式に興ずるパリの大学生の一団。彼らの前に突如姿をあらわした謎の男が差し出す麻薬らしき粉末を摂取した若い娘ヴィオレットは、死や性愛をめぐるさまざまな幻覚に襲われる…。“『不思議の国のアリス』と『O嬢の物語』の恐るべき邂逅”とも評された、蠱惑的な色彩設計やSM行為、チュニジア・ロケ等鮮やかな画面に目を奪われるロブ=グリエ初のカラー作品。

『快楽の漸進的横滑り』main (c)1974 IMEC1024.jpg

快楽の漸進的横滑り

ルームメイト殺しの容疑で逮捕された若く美しい女・アリス。被害者は、ベッドに拘束され心臓はハサミで突き刺されている。体には書きかけの聖女の殉教の絵…。本作について、「この女性は来るべき革命の希望を体現しているのだ」とロブ=グリエ自身は語る。しかし公衆道徳に反するともみなしうる先進的表現が物議をかもし、各国で上映禁止、フィルムが焼かれる事件まで発生した。

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囚われの美女

デューク・エリントンのジャズ・ナンバーが流れるナイト・クラブ。なまめかしく踊るブロンドの美女を、黒いス―ツを身にまとった男が見つめている。男の名は、ヴァルテル。謎の地下組織で情報の運び屋をしている。シュルレアリスム画家ルネ・マグリットの同名作品を含む多数の絵画をモチーフに、幻想とめくるめく官能が交錯するロブ=グリエ日本で唯一の劇場公開作。