近日上映作品

ラフィキ:ふたりの夢Rafiki

11 / 29 [金] 公開

82分 ケニア・南アフリカ・フランス・レバノン・ノルウェー・オランダ・ドイツ合作

人を好きになること、幸せになること、それはこの世に生まれてきたすべてのひとに与えられたギフト。その天からの贈りものを奪うことは、誰にもできないはず。音楽、ダンス、ファッション、アート──ポップでカラフルなアフリカンカルチャーにのせて、国境もジェンダーも肌の色も、すべてのボーダーを超えて、人生を豊かにする人と人との出会いと絆を描く感動作。

ナイロビの街角に机と椅子を並べただけの売店で、いつものように仲間とムダ話をするケナ(サマンサ・ムガシア)。ここケニアでは普通の考え方なのだが、女性は働かず良い妻になればいいと言うブラックスタ(ネヴィル・ミサティ)や、ゲイの噂のある青年を嫌悪する友達に、ケナは違和感を覚えるようになっていた。仲間と別れたケナは、父親(ジミ・ガツ)が経営する雑貨店を手伝いに行く。両親が離婚し、父とは別々に暮らしていたが、国会議員選挙に出馬した父を応援はしていた。
仕事を終えて再び売店に立ち寄ったケナは、ゴシップが大好きな店主のアティム(ムトニ・ガテカ)から、父の再婚相手に男の子が生まれると聞いて動揺する。帰宅したケナは、自分の口からはとても母(ニニ・ワシェラ)には言えなかった。だが数日後、教会の礼拝で一同が顔を合わせてしまう。 もやもやした想いを抱えていたケナに、心躍る出会いが訪れる。父の対立候補オケミ(デニス・ムショカ)の娘ジキ(シェイラ・ムニヴァ)だ。ジキが友達とフザケてケナの父親の選挙ポスターをはがしたことから会話を交わすようになったのだが、虹色の髪にカラフルなファッションとメイクで、自由奔放にストリートで踊る彼女は輝いていた。 看護師になりたいという目標を打ち明けるケナを、「医者にもなれるのに」と励まし、大学へ行く前に「世界を見たい」と宣言するジキ。古いしきたりに縛られて生きたくないと意気投合したふたりは、「私たちは本物になろう」と誓い合うのだった。
数日後、遊園地へと繰り出したふたりは、離れ難く夜通し共に過ごすうちに、互いの恋心に気づき、口づけを交わす。だが、ケナは朝帰りの姿を見た父から、支援者の信頼を失うから、対立候補の娘とは付き合うなときつく言い渡される。
父の反対がなくとも、ケニアでは同性愛は違法だ。しかし、法律さえもふたりの燃え上がる想いを止めることはできない。ふたりは街の片隅に捨てられた廃車の中で、夢のような時間を過ごし、愛を深め合っていく。 そんななか、ジキの母親(パトリシア・アミラ)が、ふたりの本当の関係に気づき、ケナの母親に知らせて引き裂こうとする。ふたりは手に手を取って家を出るが、行くあてなどなかった。廃車へと逃げ込み、「どうするの?」「ふたりで暮らそう」と見つめ合ったその時、運命から現実を突きつけられたふたりは、本物の自分か、家族や友人、社会が望む自分か、厳しい選択を迫られる──。

監督
:ワヌリ・カヒウ
出演
:サマンサ・ムガシア、シェイラ・ムニヴァ