伝説のギャングとして一時代を築いた男、エドモン・ヴィダル(通称モモン)。今は還暦を迎え、かつての仲間、そして妻や息子、孫たちと静かで心穏やかな日々を過ごし、昔の自分を忘れようとしていた。
だが、かつて共に派手な強盗事件を繰り返していた親友セルジュが13年の逃亡の末、逮捕されたことを知ると、苦悩の末、モモンはセルジュを救うと決意する。そこから再びモモンの人生は危険な時へ動き始め、ラスト衝撃の過去が明らかになっていく...。
『あるいは裏切りという名の犬』の大ヒット以降フレンチ・フィルムノワールを先導するオリヴィエ・マルシャル監督待望の最新作は、1970年代初頭"リヨンの男たち"として、フランス犯罪史にその名を刻んだギャング、エドモン・ヴィルダの激動の半生を、彼の自叙伝「さくらんぼ、ひとつかみで」をベースに当時の事件とフィクションを巧妙に織り交ぜて描く、重厚なクライム・サスペンスである。