落ちこぼれの同級生シンジとマサルは、高校生活が終わるとシンジはボクシング、マサルはヤクザの道を選んだ。その道の頂点を目指し、別々の世界に飛び込んだふたりだったが、世間は甘くなく、理想と現実のギャップ、越えられない壁にぶつかり挫折―――。
会うこともなく10年が過ぎ、ふたりはうだつの上がらない生活を送っていた。シンジはボクシングに以前のような情熱を傾けられず、ジムも辞めてただアルバイトをこなす日々。刑務所から出所したばかりのマサルは、ヤクザに戻るしかなかった。しかしふたりが、ふとした偶然から再会を果たした時、互いのくすぶっていた心に火がついた。「見返してやろうぜ!」マサルの言葉を胸に、再びリングに上がるシンジ。一方のマサルも、自らの人生をかけたある勝負に出ようとしていた。傷だらけのふたりに、道は開けるのか―――。
本作は、映画史上に残る名作として、今なお愛され続けている『キッズ・リターン』のその後の物語。原案は、ビートたけし。監督は、『キッズ・リターン』の助監督をつとめ、確かな演出力で国際的にも評価が高い清水浩。そして、シンジ役に平岡祐太、マサル役には三浦貴大と、着実にキャリアを積み上げてきた若手実力派が顔を揃え、これまでのイメージを覆すキャラクターにチャレンジ。本格的トレーニングに励み、吹替なしで挑んだ平岡祐太の鍛え上げられた肉体、凄まじいボクシングシーンも必見だ。その他、倉科カナがシンジを温かく見守るヒロインに、中尾明慶が威勢の良いマサルの手下に扮し、小倉久寛、市川しんぺー、池内博之、杉本哲太、ベンガルら日本映画界に欠かせない演技派がしっかりと脇を固める。