原作は、今そこにある現実。
この映画「掟」は劇映画でありながら現在進行形の現実に並走するように制作された。
そして都知事選の開票結果が出た直後に完成、情報解禁という現実への密着ぶりは異例中の異例である。
企画が立ち上がり検討に入ったのが3月。安芸高田市の石丸伸二市長をモデルとした劇団トラッシュマスターズの2月公演「掟」、その脚本を映画プロデューサー奥山和由が目にしたところから企画が立ち上がった。
演出家、中津留章仁による戯曲。
政治に対する深い洞察力を持った鋭い表現に惹かれたという。
さらにブラックユーモアに溢れるエンターテインメントとして見事な成立を果たしている。
この脚本を映像化して、現在進行形の現実のコンセントに繋いだ映画を作ってみたいと。
そこからは迷うことなくアクセルを踏み続ける。
設立されたばかりの配給会社サンタバーバラ・ピクチャーズに持ち込み、最も早いタイミングでスタートをきれる劇場探しを依頼。
そして8月30日公開初日が実現。
プロデューサーの奥山は言う。「この企画はタイミングが命。世の中の政治に対する問題意識が芽生えるはずの都知事選、その時を外してしまったら作る意味のない企画」
かくして製作から公開までが超高速で実現、なんと企画検討から公開まで半年をきるという異常事態だ。
まさに賭けである。スター映画でもアニメ原作でもシリーズものでもない。無謀ともいえるこの賭けの結果は?
映画は時代が産み落とす生き物、また観客やメディアによって育てられるもの。その反応は?
どのような結果が出るのか、全く予測不能!