第26回東京フィルメックスでは、香港の現代ビジュアルカルチャー美術館「M+(エム・プラス)」が修復した3本の香港映画を紹介します。M+はシャネルの支援を受けて映画修復プロジェクト「M+ Restored」を2023年7月に立ち上げ、「香港ニューウェーブ」の重要作品の4Kデジタル修復に取り組んでいる。その最初の成果が今回の上映作品です。
1970年代後半から、香港では既存の映画産業の外から次々に新たな才能が登場し、香港ニューウェーブと呼ばれる新潮流に発展しました。レオン・ポーチー、イム・ホー、パトリック・タム、ツイ・ハーク、アン・ホイ、ピーター・ユン、アレン・フォン......海外で映画を学び、テレビ局で経験を積んだ若手監督たちの作品は、スタイルと題材の両面で当時のメインストリームの商業映画と一線を画し、その後の香港映画の発展に大きく寄与するとともに、世界の映画作家にも影響を与えました。M+ Restoredは、ニューウェーブ映画の創造的な実験精神と技術革新に焦点を当て、映画の復元と並行して当時の映画人へのインタビューや調査にも取り組み、映画という文化遺産の再評価を目指しています。
フェミニズム的視点でも再評価されるメロドラマ、リアルな描写が光るサスペンス、鮮烈なビジュアルのホラー、いずれも香港映画史に刻まれる重要作品です。どうぞお楽しみに!
【開催期間】
11月14日(金)- 18日(火)
【会 場】
ヒューマントラストシネマ有楽町 シアター1
(有楽町イトシア・イトシアプラザ4階)
【料 金】
一般2,000円 / TCGメンバーズカード会員1,400円 / 大学生1,500円 / 高校・中学・小学生1,000円 / シニア1,300円 / ハンディキャップ割引1,000円
※上記ほか各種割引ご利用 可
※招待券・株主優待券ご利用 不可
※会員、高校生以上の学生、HC割引をご利用のお客様はそれぞれ証明書のご提示が必要になります。
【チケット販売期間】
11月6日(木)12:00pm~ 期間中チケット一斉発売
※劇場窓口での販売も上記時間となります。
※ご購入時に座席選択が可能です。なお、A列~C列までは段差がございません。
※QRコード提示で入場可能。窓口や発券機でのチケット発券は必要ございません。
※東京都では18歳未満の方は23時を過ぎる上映回には保護者同伴であってもご入場頂けません。
※全席指定です。お立ち見はございません。
※購入後の払戻、交換、再発行はできません。
※チケットの転売・譲渡は禁止されています。不正が判明した場合は入場をお断りする場合があります。
※満席になり次第、受付終了となります。キャンセルはございません。
香港/1968/95分
監督:トン・シューシュン(T'ANG Shushuen)
南カリフォルニア大学で学んだ女性監督・唐書璇(トン・シューシュン/セシリア・トン)の初監督作にして代表作。香港の既存の映画産業外で製作され、独立作品として公開された最初の映画でもある。17世紀中国を舞台に、夫の死後も婚家に尽くしていた董(とう)夫人が、自宅に滞在する兵士への恋情と貞淑を重んじる道徳規範との間で引き裂かれる。1969年のカンヌ国際映画祭の第1回監督週間などで上映、1971年の金馬奨で女優賞など4冠を受賞した。
■上映日■
11月16日(日)21:00 ★上映後にトークイベントがございます。登壇:韓 燕麗さん(東京大学教授・映画研究者)
11月18日(火)21:00
香港/1979/88分
監督:ピーター・ユン(Peter YUNG)
撮影監督として活躍し、インディペンデント映画の先駆者でもあった翁維銓(ピーター・ユン)の長編監督デビュー作。キン・フー作品の常連俳優・白鷹(パイ・イン)演じる麻薬取締捜査官が、様々な権謀術数を駆使して麻薬王の逮捕に挑む姿をスリリングに描く。ドキュメンタリー制作の経験を生かし、警察・情報提供者・麻薬密売人の複雑な関係性や攻防をリアルに描いた画期的な犯罪ドラマ。
■上映日■
11月14日(金)21:00
11月17日(月)21:00
香港/1981/91分
監督:パトリック・タム(Patrick Tam)
ウォン・カーウァイ監督の『欲望の翼』などの編集でも知られる香港ニューウェーブ初期の代表的監督・譚家明(パトリック・タム)の鋭い才気が爆発するサイコスリラー。サンフランシスコを舞台に、失恋した友人を助けようとした女子大生が思わぬ恐怖に巻き込まれる様を大胆な色彩設計で描く。ヒロインを演じるのはブリジット・リン(林青霞)。ウォン・カーウァイ作品に欠かせない才人ウィリアム・チョン(張叔平)の美術監督デビュー作でもある
■上映日■
11月15日(土)21:00 ★上映後にトークイベントがございます。登壇:Sonaliさん(M+)