近い将来の日本。東ヨーロッパの紛争地帯に陸上自衛隊が派遣された。過酷な戦地で起きた悲劇が、さらなる悲劇の連鎖を引き起こす。
引退した元自衛官が、戦場で大きな傷を負った部下のために組織の命令に背き、最後のミッションに挑む。かつて、戦場で起きた悲劇の真相を背負い、立ちはだかる巨悪に挑むクライムアクション・エンターテインメント!
主人公の元自衛官・土門を演じるのは、伝説の元スタントマン・髙橋昌志。前作『狼ラストスタントマン』(2022年)で鮮烈な俳優デビューを果たした彼が、本作でも苛烈なアクションをこれでもかと繰り広げ、スタント人生の集大成としている。数々の映画の舞台裏を支えてきた彼ならではの、卓越した"異次元級"アクションがここに。
監督・脚本は前作でも髙橋昌志とタッグを組んだ六車俊治。再び熱き男たちのドラマを描きつつ、よりダイナミックでスリリングなクライムアクションを見事に作り上げた。
日本の自衛隊という世界でも稀に見る独自性を持つ組織は、国際法上は「軍」という位置付けであるが、日本国内では「軍」という表現は使われることはなく、あくまでも自衛のための実力組織という認識。平和憲法の下に、武力を行使することが極限まで抑制されている。この映画では、もし、自衛隊が戦闘活動を行ったら、国内でどのようなことが起きるのかという問題を扱い、そこで繰り広げられる個人と組織の対立に焦点を当てている。
一人の元自衛官が償いと復讐のため、単身挑む悲痛なミッション。
元陸上自衛官の土門は特殊部隊の元指揮官で2年前、東ヨーロッパに派遣された。その戦場で起きた悲劇を隠すため、土門はPTSDを抱える元部下の波岡カズオと社会から隔絶した生活を送っている。退官して2年後、カズオのかつての婚約者が殺される事件が起きる。その犯人が最先端ロボット企業のCEO浜田健であることを知った土門。一方、失踪した兄カズオを探すジャーナリストの小春は、土門と接触し、カズオの居場所を突き止める。小春は、悲劇の原因はすべてあなたにあると土門を責めるが、その頃、全てを闇に葬ろうとする浜田に雇われた凄腕の殺し屋「Z」が送り込まれようとしていた。更には、事件の真相を隠蔽しようとする組織からも手を引くよう土門に圧力がかかる。浜田のロボット企業は、軍事ロボットの開発で防衛省と繋がっていたのだ。組織の命令か、傷ついた部下か—— 悩む土門。そして、土門はカズオを小春に託し、浜田の工場に単身バイクで乗り込んでいく。すべての決着をつけるために……。