染谷将太が監督した短編映画『清澄』のスピンオフ作品として着想され、音楽家として国内外において精力的に活動し、映画『ローリング』『美しい星』、テレビドラマ「ディアスポリス-異邦警察-」などの映画音楽も多数手がける渡邊琢磨が初監督、脚本、編集、音楽を担当。目的不詳のビデオゲームのように人物と風景が並置され、不条理な事物が点在する、虚構と現実の狭間にある「冥界」が舞台となり、物語の登場人物たちはある植物園を取り巻く曖昧で不可解な世界をさまよう。タイトル《ECTO》はエクトプラズム(ectoplasm)を示し、「ecto」はギリシャ語で「外の」、「plasm」は「物質」を意味する。水戸芸術館ACM劇場ほかにて渡邊の指揮による弦楽アンサンブルのサウンドトラックを生演奏付きで上演、映画と音楽の新たな関係を見いだし、鑑賞体験をかつてなく拡張した。
僻遠にある植物園内を徘徊するエクト(染谷将太)は、自身の存在に違和感を持ち、ここを「冥界」だと断言する男(川瀬陽太)に不信感を抱いていた。ある日、植物園に勤める研究員(佐津川愛美)とエクトが邂逅し、事態は思いもよらぬ展開に―。
監督・脚本・音楽 渡邊琢磨
出演者 染谷将太 川瀬陽太 佐津川愛美
配給 boid/VOICE OF GHOST