5 / 24 [金] 公開
女性が直面する孤独や暴力といったテーマを扱い、過激なまでに独自の美学を貫き通す孤高の映画監督ニナ・メンケス。アメリカ映画界で唯一無二の存在として1980年代初頭から活動を続ける彼女の作品は数々の国際映画祭に招聘され、シャンタル・アケルマンやケリー・ライカートらを引き合いに称賛されてきたものの、我が国では長い間劇場公開されることはありませんでした。近年、初期作品がアカデミー・フィルム・アーカイブによって修復されるなどさらに評価の気運が高まり、このたび代表作3本が初の日本公開決定。
ある娼婦が遭遇した衝撃的な事件を淡々と描く初長編『マグダレーナ・ヴィラガ』、ラスベガスの女性ディーラーの倦んだ日常を追う『クイーン・オブ・ダイヤモンド』、世界の映画がいかに男性目線で描かれているかを名作の抜粋を用いて解き明かすドキュメンタリー『ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー』。いずれもが今まで観たことのなかったような驚きに溢れています。ぜひご高覧ください。
【鑑賞料金】
通常料金
(TCGカード会員:1,400円/一般:2,000円/大学・専門学生:1,500円/シニア:1,300円/高校生・中学生・小学生以下:1,000円/HC割引:1,000円)
※各種割引適用可
※特別興行の為、株主ご優待券使用不可。株主提示割引使用可。
監督・製作・脚本・撮影:ニナ・メンケス
編集:ティンカ・メンケス、ニナ・メンケス
出演:ティンカ・メンケス、クレア・アギラール
1986年 / カラー / 90分
©1986 Nina Menkes ©2024 Arbelos
殺人の容疑で捕まった娼婦のアイダ。映画は時系列を曖昧にしながら、彼女の肉体的、精神的な細部をとらえ、孤独な女が生きる世界と、内なる心の世界を描きだしてゆく。女たちの「決して語られることもない物語」であり、残酷な現実に舞台をおきながら、静かな闘いと声を浮かび上がらせる詩的な美しさに満ちた一本。主演はメンケスの妹であるティンカ・メンケスが演じている。ロサンゼルス映画批評家協会賞の「年間最優秀インディペンデント/実験映画賞」を受賞。
※アルべロス・フィルムとアカデミー・フィルム・アーカイヴによって修復。 共同提供:EOSワールド・ファンド
監督・製作・脚本・撮影:ニナ・メンケス
出演:ティンカ・メンケス、エメルダ・ビーチ
1991年 / カラー / 77分
©1991 Nina Menkes ©2024 Arbelos
きらびやかなカジノのネオンと、不毛な砂漠の風景がならぶラスベガスの地で生きる女性ディーラー、フィルダウスの倦怠な日常を大胆かつミニマムに描き(監督いわく、本作は「私が描いたアメリカ合衆国像」(プレスより抜粋)、「90年代のアメリカにとっての『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コルメス河畔通り23番地』となりえるだろう」(Chicago Reader)と絶賛された傑作。厳格な構図でとらえた地にたたずむ女の姿は繊細で、素晴らしく力強い。
※アカデミー・フィルム・アーカイヴおよびザ・フィルム・ファウンデーションによる新たな修復。 資金提供:ジョージ・ルーカス・ファウンデーション 共同提供:EOSワールド・ファンド
製作・監督:ニナ・メンケス
撮影:シェイナ・ヘイガン
作曲:シャロン・ファーバー
製作総指揮:ティム・ディズニー、スーザン・ディズニー・ロード、アビゲイル・E・ディズニー
共同製作者:マリア・ギーズ、グオ・グオ、サマー・シンレイ・ヤン、サンドラ・デ・カストロ・バフィントン クリエイティヴ・プロデューサー:インカ・ルシ
出演:リアノン・アーロンズ、ロザンナ・アークエット、キャサリン・ハードウィック 他
2022年 / カラー / 107分
©BRAINWASHEDMOVIE LLC
フェミニストの映画理論家たちが何十年にもわたり探求してきた「Male Gaze=男性のまなざし」の問題。本作は、映画というメディアがいかに「男性のまなざし」に満ちているか、そしてその表現がいかに我々の実生活に影響を及ぼしているかの事実をヒッチコックからスコセッシやタランティーノ、さらには2020年代の最新作まで大量の映画のクリップを用いて解き明かしていくドキュメンタリー。