今泉力哉監督と言えば、一筋縄ではいかない恋人たちの心の機微を描き、その恋愛観が熱烈に支持されてきた。完全オリジナル脚本による『窓辺にて』は、今泉組に初参加となる、数々の映画やドラマなどで唯一無二の存在感を放ち観客を魅了し続ける稲垣吾郎を迎え、これまで以上に<好きという感情そのもの>について深く掘り下げた、美くてちょっぴり可笑しい大人のラブストーリーとなった。
フリーライターの市川茂巳(稲垣吾郎)は、編集者である妻・紗衣が担当している売れっ子小説家と浮気しているのを知っている。しかし、それを妻には言えずにいた。また、浮気を知った時に自分の中に芽生えたある感情についても悩んでいた。ある日、とある文学賞の授賞式で出会った高校生作家・久保留亜の受賞作「ラ・フランス」の内容に惹かれた市川は、久保にその小説にはモデルがいるのかと尋ねる。いるのであれば会わせてほしい、と‥・。