浮世絵を含めた芸術は男の世界だった江戸時代において、北斎の娘という境遇はありながらも、数少ない女性の絵師として活躍した葛飾応為。「美人画では敵わない」と北斎も認めるほどの絵の才を持ちながらも、短気で気が強く、煙草がやめられない豪快さを併せ持つ応為を演じるのは、日本を代表する俳優・長澤まさみ。2004年『世界の中心で、愛をさけぶ』で第25回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞受賞以降、日本映画界を牽引し続ける長澤にとって、本作は初の時代劇映画主演となる。
脚本・監督を務めるのは『日日是好日』『星の子』の大森立嗣。大森監督と長澤は、長澤が第44回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞ほか同年の映画賞を総なめにした映画『MOTHER マザー』(2020年公開)以来、2回目のタッグとなる。