3 / 14 [金] 公開
世界最大の熱帯雨林、南米アマゾン。取材班は特別な許可を得て先住民地域に入った。そこでは違法伐採や金の違法採掘が急拡大。先住民族の子ども達の間では、脳の異常や身体の麻痺などの深刻な健康被害が多発している。日本の水俣病と酷似し、「アマゾンの水俣病」と呼ばれ始めた。原因は金の採掘で使用される水銀の可能性が高いとみて、現地の医師らは危機を訴える。アマゾンの奥地で静かに進む、知られざる実態を明らかにする。
取り壊された「群馬の森」にたたずむ追悼碑。それは戦時中、日本で過酷な労働を強いられた朝鮮人労働者を悼む碑だった。20年前、碑の設置を許可した群馬県はいまや碑の存在が「著しく公益に反する」という。その背景に浮かび上がったのは、負の歴史を”なかったことにしたい人々“の執拗な抗議運動だった。全国に広がる歴史修正の動き。碑はなぜ建てられ、そして取り壊されたのか。ひとつの追悼碑を通して日本社会の変化を見る。
夕食後、外でガラスが割れる音が響いた。窓を覗くと、黒い影が見えた。ヒグマだ。「家に入ってくるかもしれない…」そんな恐怖の夜が、2か月も続いた。やっと解決したかに思えたとき、今度は住民が頼ってきたハンターたちの姿が突然消えた。クマの被害、ハンターの制約、政治の不透明さ。7年前、北海道の小さな村が直面した課題は、今や全国に広がっている。村が歩んできた道のりに、クマ対策のヒントがあった。
ギ
悪名高い「ギロチン」国営諫早湾干拓事業。かつて「宝の海」と呼ばれた有明海はすっかりその姿を変え、漁業が深刻な打撃を受けた。漁業者たちは「諫干」こそが原因であると、潮受け堤防排水門の「開門」を求め続けているが、国はこれに抵抗し、またかつて「開門」判決を出した司法も「非開門」に転じている。追い込まれていく漁業者たち。巨大公共事業は誰を幸せにしたのか。
労働組合員が“ストライキして逮捕”された。ミキサー運転手の労働組合「連帯労組関西地区生コン支部」、通称「関生(カンナマ)」を狙った事件だ。滋賀、大阪、京都、和歌山、各府県警が連携するかのように次々逮捕してゆく。労働三権は憲法が保障する基本的人権であるが、メディアは殆ど報じようとしない。「ストとはいえ過激すぎ」「幹部が反社会勢力とつながっている」・・知られざる戦後最大規模の「労働事件」の真相に迫る。
桂子ハーン、91歳(撮影時)。彼女は1951年、20歳の時に米軍の兵士と結婚し、海を渡った。「戦争花嫁」とよばれ、激動の時代を生きた桂子の人生・生き様・家族・苦悩・日常を、当時の世相と共に描いた意欲作。戦後たった5年、米兵と歩いているだけで娼婦と言われる時代に、「何故桂子は敵国の軍人と結婚をしたのか?」そこにあった幸せとは ――。これは【真実の愛の物語】である。2025年、戦後80年を迎える今夏に舞台化が決定。
第二次大戦後、米軍統治下の沖縄で、米軍に「NO」と叫び続けた政治家・瀬長亀次郎。弾圧を恐れず民衆と共に闘い抜いたその姿は「不屈」の象徴だった。米軍の策略にも屈せず、那覇市長や国会議員として立場を変えながら信念を貫いた亀次郎。本作では、稲嶺元沖縄県知事や家族の証言、未公開映像を交え、その生涯を描く。沖縄戦から始まる基地問題や、戦後沖縄の原点に迫るドキュメンタリー。追加取材と再編集を経て、テレビの名作がスクリーンによみがえる。
1945年6月、西部軍主計中尉だった冬至堅太郎は、福岡大空襲で母を失った翌日、自ら志願してB29搭乗員の処刑に加わり、4人を手にかけた。敗戦後、BC級戦犯として東京・豊島区にあったスガモプリズンに収監され、その日から日記をつけ始める。死刑を覚悟していた堅太郎は内省的に自分に向き合い、「処刑した米兵にも家族が居たはず」という妻の言葉を重く受け止める。2年後、彼に宣告されたのは絞首刑だった。
2022 年、迎田良子さん(64)が安楽死するためにスイスに渡った。重い神経難病
を患ってきた彼女は死の直前、立ち会った記者に語りかけた。「安楽死することは悲
しいことではない。やり残したことは何もないし、本当に幸せな人生だったの。やっ
と夢が叶うのよ」。過酷な幼少期を経て、度重なる困難にぶつかろうとも、たった独
りで人生を切り拓いてきた迎田さん。「誰かに頼って生きるなんて嫌なのよ」。彼女
はなぜ人生の終わりに、安楽死を選んだのか。
プロバスケットボールプレーヤー渡邊雄太30 歳。去年4 月、世界最高峰NBA で
プレーする権利を自ら破棄し、日本のB リーグ参戦を発表した。アスリートとしての
絶頂期に、彼はなぜ帰国を決断したのか?「このままやったら一生バスケットができ
なくなるかもしれない…」知られざる精神面の異変。シーズン開幕からの度重なる
ケガ。そして、盟友・八村塁の協会批判に揺れるバスケ界への想い。自らの道をもが
きながら切り開いていく、男の生き様とは…。
何かを護るため、何かと繋がるため、何よりも生きるため。過酷な山小屋を営むには
さまざまな理由がある。「コヤガタケ」とも呼ばれる八ヶ岳。そこに点在する山小屋を
写真家・菊地哲男と訪ね、山で暮らす人たちの姿を優しい眼差しで映し出す。丁寧に
紡がれた美しい映像の自然と人の姿を目にした時、その理由が分かる。きっと。
ウーバーイーツの配達員の男性は、幼少期からナゾの病に苦しみ続けていた。突然、
もう1人の自分が現れ勝手にしゃべりだす。その病は原因不明、確固たる治療法も
なく「悪魔の病」という人もいる。あなたも街ですれ違ったことがあるかも…「トゥレ
ット症」と闘っている人と。第61 回ギャラクシー賞や2024 年日本民間放送連盟
賞で高い評価を受け、TBS ドキュメンタリー映画祭2024 では名古屋限定上映が
盛況を博し、アンコール上映が決定!
小澤征爾は、世界最高峰のオーケストラや歌劇場で音楽監督を務め、クラシック音楽界で輝かしい実績を残した。ヨーロッパで誕生したクラシック音楽の世界で、アジア人としてこれほどの成功を収めた人物は他に類を見ない。本作では、TBS秘蔵映像や貴重な証言を通じて、小澤の音楽への情熱と望郷の念を描く。1965年、日本武道館で指揮した幻の「第九」、そしてその舞台で見せた涙。そこに込められた想いとは?音楽と人生が交錯する奇跡の物語が、スクリーンで鮮やかによみがえる。
2022年、奈良市の富雄丸山古墳で2メートル37センチに及ぶ巨大蛇行剣が見つかった。同時に発見された鼉龍文盾形銅鏡とともに"国宝級の発見”とも言われ、約1600年前の”謎の4世紀”に製造されたとみられている。日本で古代国家が形成された時期にも関わらず、文書などが残っておらず、分かっていないことが多い”謎の4世紀”。この時代に一体何があったのか。巨大蛇行剣は、なぜ、そして、どうやってつくられたのか…。
2024年公開の「ダメな奴」続編。前作ではラッパー紅桜の服役後に密着したが、今回は彼が所属するHIPHOPクルーに密着。「西日本一の窃盗団」「ヤクザに借金800万」「小指切断」…48歳4PRIDEの壮絶人生。荒んだ生活の中で少年はHIPHOPと出会った。しかし夢で食えるほど甘くない世界。歳を重ねた今、昼の顔は「解体業」。朝から晩まで働くおじさんラッパーのリアル。それでも歌い続ける「理由」とは。
福岡県水巻町の公民館では、dance spot「jABBKLAB」のレッスンが行われている。主宰のyurinasiaとayumugugu夫妻はどちらも凄腕のダンサーで、妻は朝ドラOPやCMの振り付けなど各方面からの仕事の依頼が殺到。そんな彼らが一番大事にしているレッスンの在り方は年齢レベルを問わず自主性を育てるもので、普通とはかなり異質だ。規格外の活動を続ける根本は「愛」だというその姿と広がりを追う。