ベストセラー作家であり、自ら出版社を経営している御祖真。妻や三人の子供にも恵まれ充実した日々を過ごしていた彼には、誰にも言えない"秘密"があった。そんなある日、帰宅途中に胸の苦しみを感じた真は、外の空気を吸うために庭園を散歩する。そこでは結婚式が行われていた。娘の将来の花嫁姿を思い浮かべた矢先、激しい心臓発作に襲われその場に倒れてしまう。意識を失いかけた真の手には、トルストイ著『復活』が握られていた。緊急搬送された病院で医師から告げられたのは、無常にも"死の宣告"だった。
仕事の重圧、家族とのすれ違い、そして病気―――。ほとんどの人が乗り越えられない「中年期の絶望」、その苦しみから這い出し、自らの使命にめざめ、世界の人びとのために命を懸ける"本当のヒーロー"の姿を描いた本作。脚本は大川咲也加、主人公・御祖(みおや)真(まこと)には映画主演に初挑戦した竹内久顕。その妻、磯子役にさとう珠緒、真を支える秘書・千眼美子らが共演。そして田村亮、芦川よしみ、石橋保ら実力派俳優が脇を固める。「人生の意味」や「本当の愛」とは何かを問いかける、不思議な感動に満ちた傑作が誕生した。