『パリのアメリカ人』は、アメリカのミュージカル映画史上に君臨する「巴里のアメリカ人」(1951年)の舞台版。原作となる映画は、豪快なタップダンスが魅力のジーン・ケリーの主演作であり、当時のアカデミー賞で8部門ノミネート中、作品賞の他に最多で6部門を受賞している名作だ。
ミュージカル舞台版『パリのアメリカ人』は、ブロードウェイ・プロダクションとキャストによる、ウェストエンド公演を特別に撮影した作品。映画『オペラ座の怪人』(2004)の製作総指揮であるオースティン・ショウがプロデューサーを務め、ブロードウェイにてトニー賞12部門ノミネート中最多5部門を獲得している。
歌唱力と演技力を備えた本物のバレエダンサーのミュージカルは、贅沢過ぎるほど面白い。バレエとミュージカル、そして伝統と新鋭の融合、そこに加わる人を惹きつけるドラマが繰り広げられている。
『パリのアメリカ人』が恋愛ミュージカルとして鬼に金棒な理由、それは、自分が作った人生のフレームから外れることを許してくれる寛大さが、この舞台にはあるからだ。『パリのアメリカ人』と言う名の列車で、ぜひ、オリジナルの旅をエンジョイしていただきたい。
【ストーリー】
主人公ジェリー・マリガン(ロバート・フェアチャイルド)は、アメリカ人の退役軍人。戦争が終結し、多くの希望やチャンスに満ちあふれたパリで、画家を目指している。
ジェリーが若く美しいダンサー、リズ(リャーン・コープ)と運命的な出会いを果たすと、終戦後のパリの街並みを背景に、芸術や友情、恋をめぐる官能的かつ現代的なロマンスが展開する。