現代ドイツを代表する映画監督、ヴィム・ヴェンダース。その作品の中心にあるのが、彼の代名詞ともいえるロードムービー。かりそめの出会いと別れを繰り返す彼らの旅は、迂回し、迷い、目的を失い、ときに引き返す。移動のなかから物語は紡がれ、それが"映画"となっていく。 初期ロードムービー三部作をはじめ、代表作の『パリ、テキサス』『ベルリン・天使の詩』、日本を題材にしたドキュメンタリー 、さらに本邦初の劇場公開となる『夢の涯てまでも』のディレクターズカット版と、ヴェンダースの魅力が詰まった珠玉の10作品が監督自らの監修による最新マスターで一挙公開。
1945年8月14日、デュッセルドルフ生まれ。ミュンヘン・テレビ映画大学で実験的な短編作品を制作した後、『ゴールキーパーの不安』(71)で長編映画デビュー。ロードムービー三部作となる『都会のアリス』(74)、『まわり道』(75)、『さすらい』(76)を発表し国際的な注目を浴びると、『パリ、テキサス』(84)でカンヌ国際映画祭パルム・ドール、『ベルリン・天使の詩』(87)でカンヌ国際映画祭監督賞、『ことの次第』(82)でヴェネチア国際映画祭金獅子賞、『ミリオンダラー・ホテル』(2000)ではベルリン国際映画祭の銀熊賞を受賞。近作に『世界の涯ての鼓動』『ローマ法王フランシスコ』(ともに18)などがある。
ニュー・ジャーマン・シネマの先駆者のひとりであり、現代ドイツを代表する映画監督であるほか、写真家としても活動している。
Photo credit:Peter Lindbergh