とある中学校の3学期、「2年6組」35人全員に密着し、ひとりひとりの物語を紐解いていく。そこには、劇的な主人公もいなければ、大きなどんでん返しもありません。それなのになぜか目が離せないのは、きっとそれが「誰もが通ってきたのに、まだ誰も見たことのなかった景色」だから。そしてその35人全員が、どこか自分と重なってしまうからかもしれません。まだ子供か大人かも曖昧なその瞬間、私たちは、何に傷ついて、何に悩んで、何を後悔して、何を夢見て、何を決意して、そして、何に心がときめいていたのか。これは、私たちが一度立ち止まり、いつでもあの頃の気持ちに立ち返るための「栞」をはさむ映画です。