無類のオペラ好きであるパリの郵便配達員・ジュールは、レコーディングを拒否し続けるアメリカ人ソプラノ歌手シンシア・ホーキンズの熱烈なファン。シンシアのリサイタルへ赴いたジュールは、高性能録音機で歌声を盗み録りすることに成功する。翌日、ある娼婦が二人組の男に殺された。殺害直前、彼女は闇組織の秘密を暴露したテープを偶然通りかかったジュールの原付のバッグに忍ばせていた。殺し屋に追われるジュール。しかも彼はシンシアの音源を狙う二人組の台湾人からも追跡されるはめになる。ジュールは知り合ったばかりの謎めいた男セルジュとヴェトナム人娘アルバの協力を得て、なんとかして追っ手から逃れようとするが...。