しんどい思いもしたけれど、大切なことにも気づけた
「これまで」と「これから」を考える人生の散歩時間だと思って、希望を持ちながらその日を待とう──
同じ空の下、世代によってどのような感情を抱え、今を生きているのだろうか。
本作では10 代から 40 代まで世代も職業も異なる人々が過ごした、2020 年の「しし座流星群」が降った一夜を映す。何気ない日常風景には、しんどかったことも、いいことも切り取られる。
そこに重ねられたロマンチックな現象は光となり、肩を重ねる主人公たちを見て「未来はきっといいことになる」と願わずにはいられない。希望を忘れない、私たちが懸命に生きる"現代"を記録した新しい作品となった。
【STORY】
舞台は 2020 年 11 月 17 日。婚約をしたものの、コロナの影響で結婚式をすることができなかった 20 代の亮介(前原滉)とゆかり(大友花恋)。引っ越しの整理もままならない二人だが、都会から離れた町に住む真紀子(柳ゆり菜)の自宅で友人たちがお祝いパーティーを開いてくれることになり、秀和(中島歩)や圭吾(篠田諒)、そして真紀子の知り合いの Youtuber ちひろ(めがね)らが集まる。しかし、自分の意見に合わせるばかりで、本音を話さない夫に不安を募らせていたゆかりは、彼の隠し事を知ってしまい、祝いの席に不穏な空気が漂ってしまう。
同じ空の下、様々な人物がやり切れない想いを抱えて毎日を過ごしている。急増するデリバリー案件に答えながら出演舞台が中止になる日々を送る 30 代の若手俳優の片岡(アベラヒデノブ)、帰省できず里帰り出産のわが子を抱くこともできない 40 代のタクシードライバーの淡路(高橋努)、そして、学校イベントのほとんどが中止となり、長年の恋心さえも伝えられずにいる中学 3 年生の光輝(山時聡真)と鈴(佐々木悠華)。
この日は、しし座流星群がピークを迎える日── 恋人や親友、我が子との間でさえも曖昧になっていく他者との繋がりに、それぞれが葛藤を抱えながらも、たしかな一歩を踏み出そうとする彼らの空に、流れ星が降り注ぐ。