フランスを代表するミステリー作家ジョルジュ・シムノン最大のベストセラー小説〈メグレ警視シリーズ〉から、中でも名作と呼び声高い「メグレと若い女の死」を、第42回カンヌ国際映画祭ノミネート『仕立て屋の恋』(89)や、第16回セザール賞にて7部門ノミネート『髪結いの亭主』(90)など、大人の恋愛劇に定評のあるフランスの名匠パトリス・ルコント監督が映画化。
舞台は1953年パリ。ある日、シルクのイブニングドレスを着た身元不明の若い女の刺殺体が発見される。この事件を担当することになったジュール・メグレ警視は、血塗られた高級ドレスを唯一の手掛かりに、事件の真相を探ることに......。犯人探しの謎解きだけではなく、被害者の素性と生涯を探りながら事件の背景に迫っていく様をエレガントに描き出し、深い余韻を残すヒューマンミステリー。
後世の作家にも多大な影響を残しているシムノンの世界観を、彼のファンであると以前から公言していたルコントが見事に表現した渾身の一作。