上映作品

【ジャン・ユスターシュ映画祭】

謎に包まれた伝説の映画監督
映画史に刻まれた 4 つの傑作が 4K デジタルリマスター版で甦る
【ジャン・ユスターシュ映画祭】

1938 年にフランスに⽣まれ、60 年代前後にジャン=リュック・ゴダールやジャック・リヴェット、エリック・ロメールらカイエ・デュ・シネマの作家たちと知り合い映画界へ、<ポスト・ヌーヴェル・ヴァーグ>の最重要⼈物の⼀⼈と⾔われる映画監督、ジャン・ユスターシュ。度々繰り返した⾃⼰破壊的な⾏動、そして 42 歳での拳銃⾃殺と、死の影が常につきまとうその⼈⽣から「呪われた作家」とも呼ばれ、まだまだ多くの謎に包まれている彼の全貌。しかし、2022 年に 4K デジタルリマスター版で甦った伝説的な『ママと娼婦』は昨年からパリをはじめ世界各地で上映され、現在はニューヨークで⼤ヒット中。そのスキャンダラスで痛切なまでの魅⼒は、今なお多くの観客に衝撃を与え続けている。

【鑑賞料金】
通常料金
(TCGカード会員:1,400円/一般:2,000円/大学・専門学生:1,500円/シニア:1,300円/高校生・中学生・小学生以下:1,000円/HC割引:1,000円)
※各種割引適用可
※特別興行の為、株主ご優待券使用不可。株主提示割引使用可


■上映作品

『わるい仲間』Les Mauvaises fréquentations

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ユスターシュの妻ジャネット・ドゥロにふりかかった災難に基づいて構想された作品。主⼈公はタフガイ気取りで品位を⽋く、どこか不快感を催させる若者⼆⼈組。彼らは街をぶらぶらするうちに知り合った⼥性を⼝説こうとするが、なびいてこないので腹いせに彼⼥の財布を盗む。ヌーヴェル・ヴァーグ映画的な街なかでのゲリラ撮影を活⽤しながらも、ここでのパリは⽣きづらい寒々しく退屈な街へと変貌しており、登場⼈物の「リアルな」描出ともども新世代作家の台頭を印象づける。

1963 年/フランス/⽩⿊/39 分  
出演:アリスティド・ドメニコ、ダニエル・バール、ドミニク・ジェール

『サンタクロースの眼は⻘い』 Le Père Noël a les yeux bleus

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『ママと娼婦』『ぼくの⼩さな恋⼈たち』と併せて、ユスターシュの⾃伝的三部作を形成する⼀本。ゴダール提供による『男性・⼥性』(66)の未使⽤フィルムを使って撮られた。貧しい⻘年ダニエルは、モテるためのダッフルコート欲しさにサンタクロースの扮装をして街⾓に⽴ち、写真撮影のモデルを務める仕事を引き受ける。やがて彼は、変装した⽅がナンパに好都合であることに気づくが…定職のない若者の冴えない⽇々を描きつつ、やがて彼の滑稽な⽇常が悲哀へと、期待が幻滅へと転調する語り⼝が絶妙。

1966 年/フランス/⽩⿊/47 分 
出演:ジャン゠ピエール・レオー、ジェラール・ジメルマン、ルネ・ジルソン

『ママと娼婦』 La Maman et la putain

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ユスターシュにとって最初の⻑編映画である本作は、四時間近い破格の上映時間を通じて、やはり作家の私的経験に基づいた物語を綴っていく。その物語と
は、72 年のパリを舞台に、五⽉⾰命の記憶を引きずる無職の若者アレクサンドルと彼の年上の恋⼈マリー、前者がカフェで知り合った性に奔放な 20 代の看護師ヴェロニカの奇妙な三⾓関係を描いたもの。完成作はカンヌ国際映画祭でグランプリを獲得。男⼥の性的関係が台詞も含めて⾚裸々に描かれた本作はスキャンダルをも巻き起こしたが、今や映画史上の傑作の⼀本として不動の地位を築いている。

1973 年/フランス/⽩⿊/219 分 
出演:ベルナデット・ラフォン、ジャン゠ピエール・レオー、フランソワーズ・ルブラン

『ぼくの⼩さな恋⼈たち』 Mes petites amoureuses

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⼆本⽬にして最後の⻑編監督作。題名はランボーの同名の詩から採られている。ペサックで⼼優しい祖⺟と⼆⼈暮らしをしていた 13 歳の少年ダニエルが、
やがて⺟が継⽗と住むナルボンヌに移住し、経済事情から学業を諦めて原付⾃転⾞修理店で⾒習いとなる物語には、ユスターシュの少年時代の記憶が多分に投影された。作家によれば、「⾃分の映画はどれも最初から社会ののけ者の中に⾝を置く」⼀⽅、本作だけは「ある⼦どもの、普通の⽣活から脱落者の境遇への移⾏」を描いている。

1974 年/フランス/カラー/123 分 
出演:マルタン・ローブ、イングリット・カーフェン、ジャクリーヌ・デュフレンヌ