上映作品

カンヌ 監督週間 in Tokio

ソフィア・コッポラ、スパイク・リー、ジム・ジャ-ムッシュ、グザヴィエ・ドラン、 大島渚、北野武、黒沢清、三池崇史、西川美和…
名監督をいち早く見いだしてきた『カンヌ監督週間』が日本初上陸

特定非営利活動法人映像産業振興機構(略称:VIPO[ヴィーポ])が主催となり、「カンヌ国際映画祭」の独立部門である「監督週間(Quinzaine des Cinéastes/ Directors' Fortnight)」とのコラボレーションの一環として、「カンヌ 監督週間 in Tokio」の開催が決定!


「カンヌ 監督週間 in Tokio」は12月8日(金)から21日(木)の2週間限定で、ヒューマントラストシネマ渋谷にて開催。カンヌ国際映画祭「監督週間 2023」で上映された約15本の長編・短編に加え、VIPOセレクトの日本映画を上映いたします。2023年のカンヌで上映された作品を日本の映画ファンと映画映像業界に携わる方々、そしてこれからその世界に飛び込もうとしている若者たちに、VIPOがお届けします。

【主 催】 監督週間(Quinzaine des Cinéastes/ Directors' Fortnight)
【特別協力】 AKIRA H
【協 力】 CINEFRANCE STUDIOS /ユニフランス/ELLE/日本映像翻訳アカデミー(JVTA)/アテネ・フランセ文化事業株式会社
【助 成】在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本

【日 程】 2023年12月8日(金)〜21日(木) 〈2週間限定〉

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【料 金】
<通常回>
一般:2000円
大学:1500円
小中高:1000円
シニア:1300円
ハンディキャップ割引:1000円
TCG会員:1400円

※『ゆ』『フレネルの光』『ナナメのろうか』は3作品同時上映となります。
※各種割引利用可(サービスデー適用対象外)
※特別興行につき、各種鑑賞券・無料鑑賞券・ご招待券・株主ご優待券はご利用いただけません。

<イベント回>
2000円均一

※下記イベントが対象となります。
12/8(金) 14:00〜『ゴールドマン裁判(The Goldman Case)』
12/9(土) 14:00〜『ゆれる』
12/11(月) 16:00〜『極道恐怖大劇場 牛頭』

※各種割引・サービスデー適用対象外
※特別興行につき、各種鑑賞券・無料鑑賞券・ご招待券・株主ご優待券はご利用いただけません。

【チケット販売】
<イベント回>
■オンライン販売:12/1(金) 19:00~各イベント日時の20分前まで
■窓口販売:12/2(土) 朝オープン時~

<通常回>
■オンライン販売:各上映日の2日前 0:00~各上映日時の20分前まで
■窓口販売:各上映日の2日前 劇場オープン時~

【上映作品】

『極道恐怖大劇場 牛頭』監督:三池崇史  特別上映   イベント 

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血の掟で成立する極道社会に予測不能な超常現象が殴り込む……。前代未聞のヤクザホラー≪極道恐怖大劇場≫!Vシネマでありながら、第56回カンヌ国際映画祭・監督週間に正式出品された本作は、三池監督にとっても思い入れの深い一作。

<2003年製作/129分/日本>
※DVD上映

『ゆれる』監督:西川 美和  特別上映   イベント 

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東京で人気写真家になった華やかな弟と、田舎で家業のガソリンスタンドを継ぐ地味な兄。法事で久しぶりに再会するが、幼馴染みの女性を巡り、兄が事故を起こしてしまう。兄の故意行為が疑われ、公判が開かれる。弟は兄の無実を信じるが、互いの本音が露呈し始め、兄弟の感情は複雑にもつれていく…。2006年のカンヌ監督週間に出品され、人間心理の得体の知れなさに迫る西川監督の名を世界に知らしめた、記念すべき2作目の単独長編監督作。

<2006年/119分/日本>

『ゴールドマン裁判』監督:セドリック・カーン  オープニング上映   イベント 

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複数の強盗罪で起訴中のピエール・ゴールドマンは、自身の罪を認めている。しかし唯一、薬局で起きた殺人事件だけは自分でないと否定し、その件について公判が開かれる。ゴールドマンは強烈な個性を発揮し、弁護士の方針に苛立ちながら自ら無実を主張する。警察の杜撰な捜査やユダヤ人差別など数々の問題が浮上し、人間性をむき出しにした俳優たちの迫力に圧倒される裁判劇。70年代に起きた実際の事件に基づく、実力派C・カーン監督最新作。

<2023年/116分/France/日本語字幕/原題:The Goldman Case>
©Séverine Brigeot

『黄色い繭の殻の中』監督:ファム・ティエン・アン  カメラドール 

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都会で気楽な生活を送る青年が義姉の死を知り、彼女の棺を幼い甥とともに故郷に運ぶことになる。深い田舎へと旅を続ける中、青年は甥を慰め、不思議な出会いを経験し、そして自分の過去とも向き合っていく。スケール感のある神秘的なロードムービーであり、特徴的な長廻しショットが観客を精神世界へと誘う。長編1作目のアン監督は本作でカンヌの新人監督賞を受賞。以来各所で受賞が続き、2023年に世界で最も注目されたアジアの新人である。

<2023年/178分/Spain, France, Singapore, Viet Nam/日本語字幕/原題:Inside the Yellow Cocoon Shell>
©JK/ilm/Potocol

『アグラ(英語字幕上映)』監督:カヌ・ベフル

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インド北部の都市でコールセンターに勤める青年は、愛する同僚女性と結婚し、ともに実家で暮らしたいと希望するが、実家に従妹のための歯科クリニックを開きたい母親が反対する。しかもその実家の2階には父親が愛人と住んでいる。非常に複雑な事態の中、青年自身が抱える問題も明らかになる…。濃密な人間ドラマであり、現代のインド社会に潜在する家父長制の矛盾が赤裸々に描かれる。迫力の演出が際立つベフル監督による3本目の長編作品。

<2023年/132分/France, India/英語字幕/原題:Agra>
 日本語字幕はつきません 

『クリアチューラ』監督:エレナ・マルティン・ヒメノ

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20代の女性のミラは、男性パートナーとともにスペイン北東部に位置するコスタ・ブラバの別荘を訪れる。気まずい口論の末、家に1人で残されたミラは、幼少時や青春期の経験を思い出し、かつて自分の体に心が馴染むことを妨げた原因を理解し始める。肉体への違和感や対処の分からない性衝動を赤裸々に描き、エレナ・マルティン監督が主演も兼ねている。監督週間部門作品を対象とするベスト・ヨーロッパ映画賞を受賞。

<2023年/114分/Spain/ 協力:アット エンタテインメント/日本語字幕/原題:Creatura>
※Blu-ray上映

『グレース』監督:イリヤ・ポヴォロトスキ

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赤いヴァンを運転する寡黙な父親と10代の娘が、広大なロシアの地を移動している。ヴァンには人生の全てが積まれ、父娘は道中で水や食料を調達し、車で生活する。しかし少女は多感な時期を迎えており、窮屈さを感じていた…。やがて明らかになる父の職業の魅力や、亡き母への想いを抱く少女の成長物語が繊細に描かれ、荒涼たるロシアの地の景観に目が奪われるロードムービー。ドキュメンタリー出身のポヴォロトスキ監督のフィクション第1作。

<2023年/119分/Russian Federation/日本語字幕/原題:Grace>

『イン・フレーム(英語字幕上映)』監督:ザラール・カーン

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医学生のマリアンは試験の準備中だが、亡父の代わりに家族を支えた祖父が亡くなり、母は生活の維持に苦労する。すると疎遠な親戚の男が現れ、助けの手を差し伸べてくれるが、その優しさは見せかけのものでしかなかった。パキスタンの男性社会に抑圧される女性たちの苦難を描く社会派ドラマであるが、マリアンのロマンスがホラー的に展開し、母との絆の意外な秘密が明らかになるなど、一筋縄ではいかないストーリーテリングの魅力を持つ現代の寓話。

<2023年/98分/Canada, Pakistan/英語字幕/原題:In Flames>
 日本語字幕はつきません 

『イン・アワ・ディ(英語字幕上映)』監督:ホン・サンス

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引退を決意した女優がソウルの友人宅に一時的に身を寄せ、訪れた若い俳優志望の女性にアドバイスを与える。一方、詩人の老人男性は学生によるドキュメンタリー映画の撮影対象となり、芸術論を語るように求められる。2つの場面が交互に描かれる中、人生の意味や人間の欲望に関して示唆に富む会話が、さりげない形で交わされていく。キム・ミニやキ・ジュボンらお馴染みの面々が魅力を発揮するホン・サンス監督の記念すべき30本目の長編作品。

<2023年/84分/Republic of Korea/英語字幕/原題:In Our Day>
 日本語字幕はつきません 

『マンバール・ピエレッテ』監督:ロジーヌ・ムバカム

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カメルーン西部の都市、ドゥアラに暮らす女性のマンバールは、質素な小屋で仕立て屋を営んでいる。生活は非常に苦しく、子どもたちが新学期に必要な品々をまだ買えていない。しかし、大雨による浸水を始め、次々と不運がマンバールを襲う…。不安定な環境下で自立して力強く生きるマンバールの姿を讃え、間接的に男性社会を批判する側面も備えた人間ドラマ。ベルギーを拠点に活動するドキュメンタリー出身のムバカム監督によるフィクション長編。

<2023年/93分/Belgium, Cameroon/日本語字幕/Mambar Pierrette>

『リドル・オブ・ファイヤー(原題)』監督:ウェストン・ラズーリ

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店舗の倉庫からモノをくすね、ワルガキ仲間とはしゃぐやんちゃ少女のアリスは、どうしても母親の願いを叶える必要に迫られる。そのためには、ブルーベリーパイを手にいれなければならない!かくしてアリスたちは冒険の旅に出る。ワイオミングの美しい光線の中、16mmフィルム撮影が80s的レトロな効果をもたらし、謎の集団との対決アクションもたっぷりの痛快コメディー。最高にキッチュでキュートな「『グーニーズ』meetsネオ・ウェスタン」。

<2023年/116分(予定)/United States of America/配給:クロックワークス/日本語字幕/原題:Riddle of fire>
©ANAXIA

『フィーリング・ザット・ザ・タイム・フォー・ドゥーイング・サムシング・ハズ・パスト』監督:ジョアンナ・アーナウ

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NYで暮らす34歳のアンは、昼はIT系企業でパソコンに向かい、夜は男性とソフトSMを楽しむ。祖父母と多くの時間を過ごす家族思いの面も持つアンの日々の断面が、ショートスケッチの積み重ねで綴られていく。アンを演じるのは本作が長編1本目となるアーナウ監督本人であり、性生活を描く際に自ら裸体をあっけらかんと晒す。様々なプレイに興じる様はパフォーマンス・アートのようでもある。30代の女性の精神と肉体の実存を巡る超個性作。

<2023年/87分/United States of America/日本語字幕/原題:The Feeling That the Time for Doing Something Has Passed>

『アザー・ローレンス(英語字幕上映)』監督:クロード・シュミッツ

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浮気調査専門の探偵である中年男のガブリエルが、双子の兄の事故死を知る。兄の娘のジャドはその死を不審に思い、叔父に捜査を依頼するが、常に金欠のガブリエルは裕福な実業家の兄と疎遠であったため気乗りがしない。ガブリエルは奔放なジャドの扱いに手を焼きつつ、やがて事件に巻き込まれていく。怪しげな人物や過去と向き合うガブリエルの業を描きつつ、米のフィルム・ノワールというジャンルの定型を通じて米国の深淵にも迫ろうとする意欲作。

<2023年/117分/Belgium, France/英語字幕/原題:The Other Laurens>
 日本語字幕はつきません 

『スイート・イースト』監督:ショーン・プライス・ウィリアムス

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高校の修学旅行でワシントンを訪問中のリリアンは強盗事件に巻き込まれる。命からがら逃げ出すが、やがて活動家アーティスト集団やネオナチ男など不思議な出会いが続き、リリアンを数奇な運命が待ち受ける。様々な過激主義者がはびこるトランプ期のアメリカを象徴する現代の「不思議の国のアリス」を、サフディー兄弟監督のカメラマンとして知られるウィリアムス監督が初演出。リリアン役のタリア・ライダー(『17歳の瞳に映る世界』)にも注目。

<2023年/104分/United States of America/日本語字幕/原題:The Sweet East>

『ゆ』監督:平井 敦士  イベント 

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大晦日の夜、東京に暮らす男が久しぶりに母の家がある故郷を訪れ、銭湯に入る。近所の人が集うその場所には、懐かしい日常があった。思い思いの会話を交わしながら体を洗う人たちを眺め、男はゆっくりと湯船に浸かる。そんな中、身寄りのないおばあさんがのぼせて倒れてしまう…。何気ない日常の描写から、やがて胸を締め付けられる思いに駆られるエンディングへと至り、2023年カンヌ監督週間に唯一の日本映画として選出された逸品。

<2023年/21分/フランス>
©MLDFILMS
※『ゆ』『フレネルの光』『ナナメのろうか』は同時上映となります。

『フレネルの光』監督:平井 敦士  イベント 

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青年が数年振りに富山に帰省する。父の死に間に合わなかった青年は、様々な思いを抱えながら故郷の町を自転車で巡る。パリを拠点とする平井監督が仏人スタッフと制作し、ロカルノをはじめ多くの映画祭に招待された。

<2020年/25分/フランス、日本>
※『ゆ』『フレネルの光』『ナナメのろうか』は同時上映となります。

『ナナメのろうか』監督:深田 隆之  イベント 

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幼少期に過ごした祖母宅のリフォームに備え、姉妹が片付けを行う。2人は童心に戻って遊び、思い出を語りあうが、やがて歩んできた人生の違いに向き合っていく。時空を超える演出が特徴的なサン・セバスチャン映画祭出品作。

<2022/44分/日本>
©Takayuki Fukata all rights reserved.
※『ゆ』『フレネルの光』『ナナメのろうか』は同時上映となります。

カンヌ「監督週間」について

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「カンヌ国際映画祭」は世界三大映画祭の中でも突出した知名度と国際的に高い評価を誇る映画祭です。その中でも将来有望の片鱗を見せる優れた映像作品を1968年より上映し続けてきた「監督週間(Quinzaine des Cinéastes/ Directors' Fortnight)」。フランスの監督協会が運営している「監督週間」は、作家性を持つ監督が世界に出てゆく登竜門的な存在であり、また最も特異で前衛性のある、幅広いタイプの作品を紹介することを目的としています。
過去には、ソフィア・コッポラ、スパイク・リー、アトム・エゴヤン、ジム・ジャームッシュ、ケン・ローチ、クエンティン・タランティーノ、グザヴィエ・ドラン、日本からは大島渚、北野武、黒沢清、三池崇史、諏訪敦彦、河瀬直美、西川美和といった今日の映画界を牽引する監督たちがこの「監督週間」から大きく飛び立っていきました。

(公式サイト:https://www.quinzaine-cineastes.fr/en