都会で教師をしていたクニちゃんこと小山田久仁子(28)は、まじめに考えすぎてしまう性格からストレスで心身を病み辞職していた。そんなとき、友人であるヤッちゃんの亡き叔父が所有する空き家を管理するため"Iターン"することに。そこでクニちゃんは、お医者さんから言われた「もっと、うまく、ふまじめに生きなさい」という意味深な格言を思い出し、自身のまじめすぎる性格とは真逆の、『ふまじめ通信』という音声番組をなんとなくはじめてみることに・・・そんな番組から流れてくるのは、クニちゃんが出会ったちょっぴりマヌケでもの哀しい『ふまじめ』な人々のエピソード。いつも呑気に見えている人でも、心の片隅に小さな物語がしまわれている・・・。
第35回東京国際映画祭 (2022)NipponCinemaNow部門に出品された吉田美月喜・常盤貴子出演映画『あつい胸さわぎ』で話題のまつむらしんご監督最新作!
キャストオーディションには1000名を超える応募が!? その中から、国内映画祭で多数の賞を受賞した映画『湯沸かしサナ子、29歳』で主演を務め、ドラマ『神様のカルテ』『ドクターX』や映画『ほとぼりメルトサウンズ』などでその存在感を現している宇乃うめのが主人公のクニちゃん役に決定。友達のヤッちゃん役に映画『タロウのバカ』への出演で注目を集めた植田紗々、ミンミン役にモデルやスタイリストなど肩書きを問わず幅広く活動する7Aを採用。そのほか、特撮ドラマ『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』でルパンブルー/宵町透真を演じたほか、NHK朝ドラ『舞い上がれ』の“中澤真一役としても注目を集めた濱正悟や、『アルプススタンドのはしの方』でその演技力を評価された西本まりん、舞台女優として数々の名作に出演し共に“読売演劇大賞優秀女優賞”の受賞経験を持つみやなおこ・枝元萌など、個性豊かなキャラクターたちを実力派の役者陣がそれぞれ演じた。和歌山県・加太の風情ある港町を舞台に描かれる、気の置けない友達や町で出会うちょっぴりワケありな人たちの、“ふまじめ”なオムニバスストーリー。
現代社会に苦しむすべての人に、『ふまじめ通信』が届きますように・・・
銭湯のシーンでフルーツ牛乳が登場します。私は撮影地の関西で、フルーツ牛乳を入手するのが困難だということを知りませんでした。プロデューサーは原付で往復2時間かけてフルーツ牛乳を手に入れてくれました。その誇らしげな顔を前にして私は言えませんでした。「コーヒー牛乳でも、別に良かったです」
ふまじめを描くための映画なのに、結局我々はいつも通り細部までまじめに作りました。いや、作ることしかできませんでした。
ふまじめであろうとすることは、まじめであることよりよっぽど難しいのだ。と学びました。この映画を観た人が少しでも楽な気持ちになってくれたら本望です。