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カール・テオドア・ドライヤー セレクション vol.2

世代を超え敬愛される、世界映画史が誇る孤高の映画作家カール・テオドア・ドライヤー
好評を博した2021年の特集上映に続き、第二弾を開催

19世紀末にデンマークで生まれ、常に独創的で革新的な作品を生み出しながら、一貫して人間、特に女性の心の真髄をフィルムで捉え続けた、世界映画史が誇る孤高の映画作家カール・テオドア・ドライヤー。 ジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォー、イングマール・ベルイマンなどの巨匠たちからアルノー・デプレシャン、ギャスパー・ノエといった現代の先鋭たちにまで多大なる影響を与え世代を超え敬愛されています。
大戦が二度起き変革の渦中の時代にあっても粛々と映画制作に情熱を注ぎ、79年の生涯で長編14作品を発表。被写体を見つめ、モノクロームの世界を巧みに操り、新たな映画芸術の可能性を示し続けてきました。
そんな唯一無二の映画作家ドライヤーの特集第二弾が開催。2021年の開催時に上映された『裁かるゝジャンヌ』『奇跡』などの4作品に加え、画家の愛と死を耽美的に描いた無声時代の傑作『ミカエル』、世界で大ヒットとなったホームドラマ『あるじ』、そしてドライヤー初のサウンド映画である美しき幻惑のホラー『吸血鬼』の3作品を新たにラインナップ。映像表現のアプローチに多様な顔を持つドライヤー作品をとくとご堪能ください。


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カール・テオドア・ドライヤー(Carl Theodor Dreyer, 1889年2月3日~1968年3月20日)

1889年2月3日、コペンハーゲンで私生児として生まれる。母親の経済的理由から1890年にデンマークのドライヤー家に養子に出された。学校卒業後は通信電話会社の事務職を経て、ジャーナリストに転身。手掛けた映画評が大手映画会社の目に留まったことから脚本執筆を開始し、1919年に『裁判長』で監督デビュー。スウェーデン・ドイツ・ノルウェーと様々な国で制作を続け、7作目の『あるじ』(25)がパリで大ヒット、日本でも上映されるなど国際的に認知されるきっかけとなり、フランスでの『裁かるゝジャンヌ』制作へと繋がる。戦後はデンマークに戻り、映画館の支配人としても活動をスタート。映画館運営で生活が安定したことにより再び映画制作が可能になり、『奇跡』(54)を完成させ、ヴェネチア国際映画祭の金獅子賞の受賞を果たす。その後、1964年に遺作となった『ゲアトルーズ』を発表し、切望していた「ナザレのキリスト」映画化実現を目前に控えた1968年3月20日に死去。享年79。