出版社・玄武書房に勤める馬締光也(まじめ みつや)は、営業部で変わり者として持て余されていたが、
言葉に対する天才的なセンスを見出され、辞書編集部に異動になる。
新しい辞書「大渡海(だいとかい)」――見出し語は24万語。完成まで15年。
編集方針は「今を生きる辞書」。個性派ぞろいの辞書編集部の中で、馬締は辞書編纂(へんさん)の世界に没頭する。
そんなある日、出会った運命の女性。しかし言葉のプロでありながら、馬締は彼女に気持ちを伝えるにふさわしい言葉がみつからない。
問題が山積みの辞書編集部。果たして「大渡海」は完成するのか?馬締の思いは伝わるのだろうか?