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2020年1月、1冊の本が出版されフランス中が騒然となった。『同意』と題されたその著書は、芸術文化勲章まで受賞した有名作家ガブリエル・マツネフと14歳で性的関係を持っていた女性ヴァネッサ・スプリンゴラからの、いわば告発だった。そこに記されていたのは、マツネフが彼女を含む多数の少女たちとの関係を作品の題材として利用した生粋の小児性愛者にも関わらず、その歪んだ行為さえ文学として消費され礼賛すらされてきたという驚くべき実態。本作はその衝撃の実話を元に映画化され、公開されるやいなや大きな話題を呼んだ。特に若者たちの反応は凄まじく「今見るべき、知るべき作品」としてSNSでトレンド入りするなど日に日に観客を増やし、公開2 週目から前週を上回る観客数を動員。異例のヒットを記録している。
監督はマリオン・コティヤール主演『マイ・エンジェル』のヴァネッサ・フィロ。家族や女性の在り方といった現代的なテーマを探求する、率直かつエモーショナルな作風で知られる。主人公ヴァネッサ役のキム・イジュランは映画初出演にして、本作の演技でセザール賞女性新人賞にノミネートされた。
文学を愛する13 歳の少女ヴァネッサは、50歳の有名作家ガブリエル・マツネフと出会う。彼は自身の小児性愛嗜好を隠すことなくスキャンダラスな文学作品に仕立て上げ、既存の道徳や倫理への反逆者として時代の寵児となった著名人だった。やがて14 歳になったヴァネッサは彼と<同意>のうえで性的関係を結び、そのいびつな関係にのめり込んでゆく。それが彼女の人生に長く暗い影を落とす、忌むべきものになるとも知らず……。