「ほんとは傷ついてるのに何も言えないよ」
新婚の秋華と久志は、穏やかな結婚生活を送っていた。しかし会社の同僚・涼子を気にかけるようになったことをきっかけに、二人の間には少しずつ亀裂が生まれていく。秋華は、隣室に暮らす大学生・譲治との出会いによって、自らの孤独と向き合うことになる。一方の久志もまた、誰にも言えない秘密を抱えていた。久志の兄である啓太の妻・夏美は、学生時代から啓太に憧れ、結婚し、家庭を築いたのだが、その胸の奥には拭いきれない寂しさが残っていた。ある夜、その寂しさは久志を巻き込み、決して越えてはならない一線を越えてしまう。「さびしくて死にそうなの 」離婚によって傷ついた涼子。人妻への想いに揺れる譲治。親友を見守り続ける真冬。人の孤独に寄り添う風俗嬢・ベル。それぞれが抱える孤独、欲望、後悔、罪悪感は、やがて互いの人生を結びつけていく。恋に傷つき、誰かを傷つけ、それでもなお誰かを求めてしまう 。現代の孤独と承認欲求を描く、大人の恋愛群像劇。