美術館の監視員として働いている聡美の元に、ある日「誕生日の贈り物」と記された小包が届く。中から出てきたのは見覚えのない鍵。差出人はひと月前にこの世を去った父・唯一だった。聡美の母・柊子と熟年離婚し、独り暮らしの末、誰にも知られないまま一人静かに息を引き取った唯一。聡美は、鍵が届いたことをきっかけに、唯一が生前愛してやまなかったものを追いかけ始める。そんな中、美術館から契約打ち切りの通達を受け転職を迫られた聡美は、突然人生の岐路に立たされる。"無用の人"だと言われても好きなことをひたむきに愛し、人生を全うした父が、娘に遺した最後のメッセージとは――。