監督は、本作が長編デビューとなる男女ファニー・リアタール&ジェレミー・トルイユ。解体前のガガーリン団地で撮影を行い、ノスタルジックで幻想的な映像美の中に、繊細な若者の心の機微を見事に映し出した。主演は本作で見出されたアルセニ・バティリ。ほか注目の若手女優リナ・クードリ(『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』)、『ポンヌフの恋人』等レオス・カラックス作品で知られるドニ・ラヴァンが特別出演。消えゆく世界で、少年がたぐり寄せる光とは──。
パリ東郊に位置する赤レンガの大規模公営住宅“ガガーリン”。この場所で育った16歳のユーリは部屋の天体望遠鏡から空を観察し、宇宙飛行士になることを夢見ていた。老朽化と24年パリ五輪の為に取り壊す計画が上がった建物では、次々と住人の退去が進むが、ユーリは帰らぬ母との大切な思い出が詰まったこの場所を守るため、友だちのフサームとディアナと一緒に取り壊しを阻止しようと動き出す―。自由で明るいディアナに恋心を抱き、彼女や親友フサームとのふれ合いの中で、不器用ながらも少しずつ成長していくユーリ。消えゆく世界に留まりたい、団地から抜け出して夢を追いかけたい気持ちとの間で揺れるユーリは、解体の刻が迫るなか、空っぽになった無人の住宅を大好きな宇宙船に改造して守る事を決意する。