近日上映作品

Colors Under the Streetlights

12 / 13 [金] 公開

22分 日本

嘘を抱きしめて、今日も夜明けを待っている。
人間関係がもたらす複雑さや多様性、そのニュアンスへの強い理解を映像化する定谷美海監督の最新作。

ガールズバーのキャストたちを乗せ、夜の街を走るドライバーのユリカ(イシヅカユウ)。バーカウンターに立つミチル(大森亜璃紗)は、今夜も上手く客をあしらっている。カオル(千國めぐみ)は、デート相手の男の車を降り、家に帰る振りをして店に出勤する。スタッフルームに身を潜めるユリカは、そんな二人を光るカーテンの向こうがわから見つめていた。 その夜、仕事あがりのミチルと路肩で言葉を交わしていると、巡回していた警察官が二人を見つけ、事情を聞き始めるが...

【鑑賞料金】
一律 1,000円(税込)
※特別興行につき、各種無料鑑賞券、ご招待券、株主ご優待券はご利用いただけません。

監督・脚本・編集
:定谷美海
出演
:イシヅカユウ、大森亜璃紗、千國めぐみ、斉藤陽一郎、マギー、関口アナン、林亮介

INTRODUCTION

2024年8月現在、Los Angels New Filmmaker、そして、第43回バンクーバー国際映画祭ショートフィルム部門でオフィシャルセレクションにノミネート。人間関係がもたらす複雑さや多様性、そのニュアンスへの強い理解を映像化する定谷美海監督の最新作。主演にイシヅカユウを迎え、東京の夜を生きる女たちのヒューマンドラマができあがった。大森亜璃紗、千國めぐみ、さらには、斉藤陽一郎、マギー、関口アナンなどが骨太な役者たちが脇を固め、繊細ながら存在感のある作品に仕上がっている。日本では短編映画の劇場公開は難しいとされながらも、監督のスクリーン上映への強いこだわりと、短編映画への可能性を託し、今回劇場公開が決定した。

CAST

イシヅカユウ
静岡県浜松市生まれ。 ファッションモデル・俳優として、ファッションショー、CM、映画、ドラマなどさまざま な分野で活動。

大森亜璃紗
1991 年東京都出身。
『あの日々の話』(玉田真也監督)、『もうひとつのことば』(堤真矢監督)、『首』(北野武監督) などに出演。自身が監督した作品「四人姉妹」にも出演している。

千國めぐみ
1988 年埼玉県出身。 俳優・モデルとして雑誌、広告などを中心に活動中。主な出演作に、映画『ゆめのまにまに』(張 元香織監督)、ショートフィルム『いつかの好奇心』(末次成人監督)、『ルート 29』(森井勇 佑監督)などがある。

斉藤陽一郎
1970年北海道出身。 青山真治監督の殆どの作品に出演。同監督作品『Helpless』にてスクリーンデビューし『EUREKA』『サッド ヴァケイション』と北九州三部作に出演。
2024年出演作『夜明けのすべて』(三宅唱監督)、『蒲団』(山嵜晋平監督)、『ルックバック(声)』(押山清高監督)などがある。

マギー
1972年兵庫出身。
93年お笑い集団『ジョビジョバ』結成。リーダー、構成、演出を務める。映画では矢口史靖、 本広克之、行定勲、SABU、田口トモロヲ、磯村一路監督などと仕事をする。

関口アナン
1988 年東京都出身。
舞台『まるは食堂 2024』(作・演出:佃典彦)、『消えていくなら朝』(作・演出:蓬莱竜太)、映画『キリエのうた』(岩井俊二監督)、AppleTV『サニー』などに出演。

林亮介
1988 年東京都出身。 エキストラからキャリアをスタートし、ドラマ、映画、TVCM、舞台など幅広く活躍。

監督・定谷美海から

コロナ禍の2020年、当時カナダに住んでいた私は帰国を余儀なくされ、日本に帰ってきた。カナダのプロダクションにて映像制作に携わっていたが、帰国後、仕事のコネクションはまるでなく今作の主人公と同じガールズバーの送迎のバイトを始めることとなる。終電がなくなり始発が動くまでの時間、ガールズバーで働く女性たちを送迎するバイトだ。この送迎の仕事は男性が95%だそうで、女性は珍しい。そのためか後部座席に座る女性たちは私が女であることでどこか安心し、日を追うごとに身の上話をしてくれた。5年の浪人生活を終え美大に通い始めた人、障害がある旦那のために四六時中働く人、カタコトの日本語がモテる秘訣だと語る中国から来た人など、様々な姿を見せてくれた彼女たちとの出会いが今作を作るきっかけになった。おしゃべりが絶えない車内となったのは、私が「女性」だったからなのは明らかだった。しかしそんな彼女たちとは違い、私は自分のことをあまり語らなかった。でまかせに借金がある、パティシエの見習いである、暇つぶしに...などありとあらゆる嘘を並べた。映像監督として生計を立てることができず、ドライバーのバイトをしていることを恥だと思っていたあの頃、取り繕うことでしか自分を保てなかった。彼女たちは同情したり共感したり、また、応援もしてくれた。お菓子をくれる人もいて胸が痛んだが、「この空間にある真実って何なんだろうか...」 と思ったとき、今作の脚本を書き始めた。

「女性」であることで変わる世間の態度と視点。
嘘をついて自分を守ること。

私が走り続けたあの夜の全てがこの作品に生きている。


監督・脚本・編集:定谷美海
日本を拠点に、CM、ドラマ、映画など幅広い分野の映像を監督している。CM制作会社にてプロダクションマネージャーを経験後、映像作家・拓殖泰人に師事。その後カナダへ渡航し、制作会社 SOFT CITIZEN に在籍。2020年帰国後、ディレクターとなる。マレーシアのCMプロダクション Director’s Think Tankにも籍を置き、グローバルに活躍する。

フィルモグラフィー
2021年 『それでも幸福でいなさい』SSFF・Ladies of Cinema 部門、おおぶ映画祭・映画の可能性部門にて上映。
2022年 『ドーナツもり』
2023年 Youtube ドラマ『わたしの、あの東京』
他、CM、ウェブムービー