近日上映作品

ミーツ・ザ・ワールド

12 / 19 [金] 公開

126分 日本

歌舞伎町を舞台に、新たな出会いが導く世界を描いた
現代版”不思議の国のアリス“
生きづらさを抱えるすべての人に贈るマスターピース

歌舞伎町を舞台に、擬人化焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」をこよなく愛するも自分のことは好きになれない27歳の主人公の新たな世界との出会いを描いた『ミーツ・ザ・ワールド』。 原作は、第35回柴田錬三郎賞を受賞した金原ひとみの同名小説。自著の映画化は、第130回芥川賞を受賞したデビュー作「蛇にピアス」以来、17年ぶりとなる。
監督を務めるのは、『くれなずめ』『ちょっと思い出しただけ』などこれまで青春という一瞬の輝きを描き続け、若者から圧倒的な支持を得る松居大悟。初めて"生きること"についての映画に挑み、新境地を開いた。撮影は本作の舞台である歌舞伎町で敢行。この街で生きる人々の居場所をスクリーンに焼き付ける。
主人公の由嘉里を演じるのは、『52ヘルツのクジラたち』『片思い世界』「アンメット ある脳外科医の日記」など映画やドラマでの主演作が続き、演技力に定評のある杉咲花。擬人化焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」の推しカプに全力で愛を注ぐも、自分を好きになれず、仕事と趣味だけで生きていくことへの不安と焦りを感じる等身大の主人公の姿を体現する。由嘉里が出会う歌舞伎町の住人たちには個性豊かな俳優陣が集結。希死念慮を抱えた美しいキャバ嬢・ライ役には、オーディションで抜擢され、モデル・女優として注目を集める南琴奈。既婚者で不特定多数から愛されたいホスト・アサヒ役には、映画『八犬伝』『はたらく細胞』『陰陽師0』で第48回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、TVや映画の話題作への出演が続く板垣李光人。人が死ぬ話ばかりを書いている毒舌な作家・ユキ役には、蒼井優。すべての人を受け入れる歌舞伎町に寄り添うBAR「寂寥」店主・オシン役を、渋川清彦が演じる。
主題歌・音楽を手掛けるのは、クリープハイプ。実写映画では初の音楽担当となる本作で、由嘉里の感情と歌舞伎町の風景に寄り添いながら、心の機微を繊細に描き出す。
ある日迷い込んだ未知の世界で、考え方も、生き方も、何もかもが違う、交わることのなかった人たちと出会い、他者を知ることで、自分を知る。違いを受け入れることで、自分を受け入れられるようになる。これは「明日の私がちょっと好きになる」----そんな"わたし"との出会いの物語。生きづらさを抱えるすべての人にそっと寄り添うマスターピースが誕生した。

監督・脚本
:松居大悟
原作
:金原ひとみ
キャスト
:杉咲花 南琴奈 板垣李光人 蒼井優 渋川清彦 筒井真理子

STORY

擬人化焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」の推しカプに全力で愛を注ぎながらも、自分のことは好きになれない由嘉里。平日は銀行員として働いているが、職場では“腐女子”である自分をひた隠しにして生きていた。
27歳になって結婚・出産……違う世界に次々と離脱する腐女子仲間を見送る由嘉里は、このまま仕事と趣味だけで生きていくことへの不安と焦りを感じ、婚活を始めることに。しかし参加した合コンでは惨敗。歌舞伎町の道端で酔いつぶれていたところ、美しいキャバ嬢・ライに助けられる。
視界がぼやけたまま手を引かれて辿り着いたのは、ライのマンション。そこは、足の踏み場もないほどゴミが散乱した部屋だった。「こんな生活してたら死んじゃいますよ」と言う由嘉里に、ライは飄々と「私死ぬの」と告げる。まるで特別な才能でもあるかのように、「この世から消える高度な才能が与えられている」と語るライは、希死念慮を抱えていた。そんなライになぜか惹かれた由嘉里は、そのままルームシェアを始めることに。
夜の歌舞伎町をライと歩く由嘉里は、ライの知り合いのNo.1ホスト・アサヒと出会う。既婚者であり、妻の財力で毎月No.1 にしてもらっていると語るアサヒに由嘉里はまったくついていけない。ライとアサヒに導かれるように、由嘉里が足を踏み入れたのはBAR「寂寥(せきりょう)」。そこには、人の死ばかりを題材に書き続ける毒舌な作家・ユキと、多種多様な人々が行き交う歌舞伎町ですべてを受け入れるマスター・オシンがいた。初めてのBARに戸惑う由嘉里は、コップ越しのキラキラと輝く世界に見惚れていた。
ライとの同居生活に安らぎを覚える一方で、彼女が抱える希死念慮は、由嘉里の心に重くのしかかる。ある日、ライから元恋人の話を聞いた由嘉里は、彼との確執が解ければ死にたい感情は消えるかもしれないと考え、アサヒに『ライさんの死にたみ半減プロジェクト』の発足を提案するが 、「ダサい」と言われ一蹴される。ユキとオシンに相談してみるも、自分の価値観をライに押し付けるのはよくないと言われてしまう。それでもライに生きてほしいと強く願う由嘉里は、大阪で開催される「ミート・イズ・マイン」の2.5次元舞台の遠征にあわせて、アサヒを誘ってライの元恋人の実家を訪ねることにするが……。