11 / 30 [土] 公開
現代にこそ通じるメッセージ
うさぎたちの視点でリアルに描いた現実世界とは
英国産傑作アニメーションが45年の歳月を経てよみがえる
作家リチャード・アダムスが1973年に英国カーネギー賞とガーディアン賞をダブル受賞した児童文学をもとにした本作。
傑作と名高い児童文学を原作にしたアニメーション映画でありながら、決して子供だけに向けた内容ではなく、可愛らしい野うさぎたちに待ち受ける苦難と残酷な現実、人間たちによる乱開発により滅びゆく野生動物、外敵との血生臭い闘いなどが容赦なく描かれており、世界中で今もなおカルト的な人気を誇っている作品。
英国ハンプシャー州に、サンドルフォード繁殖地というウサギたちの巣穴があった。ある日、そこに棲むウサギで予知能力をそなえたファイバーがこの地に災害が迫っていることを予言。彼の兄であり、彼の“能力”を認めているヘイズルは村の長に避難を提案したもののとりあってもらえず、上士(幹部)頭ビグウィグの助けも借りながら何羽かのウサギたちと村を脱出する――。
人間たちによる「喰われるためだけ」の養兎場、将軍による「軍国主義的な統制」を敷く繁殖地・・・、理想郷を探す彼らの旅の前に立ちふさがるのは予想もしない世界だった。