4 / 24 [金] 公開
レディオヘッドやR.E.M.などのオープニング・アクトに抜擢され一躍その名を広めたスパークルホース。その中心人物であるマーク・リンカスは、レディオヘッドとの欧州ツアーの最中にアルコールと薬物の過剰摂取により倒れてしまう。なんとか一命をとりとめたものの、その後遺症はその後の人生に大きく禍根を残すものとなる。そして、6枚目のアルバムの制作中、2010年にマークは自ら命を絶った。
ダニエル・ジョンストンをプロデュースし、パティ・スミス、トム・ウェイツらに愛された彼の音楽は日本ではあまり知られていない。ルーツミュージックでありアメリカン・ゴシック、ローファイ、ノイズ、サイケデリック、アンビエントなど様々な音楽性が交じり合いながら、彼岸から聞こえる子守唄のように、マークのかすれた声が響く。まるで寝静まった真夜中にそっとおもちゃ箱が開き、それぞれの玩具が好き勝手に歌いだして、音を鳴らしているような―。
本作は、マーク・リンカス本人の死の直前に録られたインタビューと、親交のあったミュージシャンや彼の孤独に共鳴した映画監督デヴィッド・リンチらの証言によって、その実存と音楽に迫るドキュメンタリー。近年でもR&Bシンガーのメイヴィス・ステイプルズがカバーするなどその評価は高まっている。内なる悪魔と闘い続けた男が紡ぐ、震えるほどの狂気と優しさに満ちた音楽と、その人生の軌跡が本作に詰まっている。