上映作品

雨のエトランゼ

愛と孤独、エロスとタナトスが交錯する中
一人の女とそれに魅入られた二人の男の切愛を描く、衝撃のエロティック・ノワール

『死んでもいい』『ヌードの夜』『GONIN』から遺作となった『GONIN サーガ』まで19 本の監督作品を遺し、2022年にこの世を去った鬼才・石井隆。
しかし、遺したものは他にもあった。生前、撮る機会をうかがいながら書き溜めていた何本もの脚本だ。そのうちの一作が、劇画家として名を馳せていた70 年代に発表した劇画を、自ら脚本化し、晩年、病床でも繰り返し手を入れていたという「雨のエトランゼ」。そんな79 年に生み落とされた物語が、今、令和の時代に蘇る!
石井隆の長年にわたる執念と遺志を継いで映画化を果たしたのは、今年に入って『名無し』『藁にもすがる獣たち』と、すでに二本の監督作を世に送り出している監督・城定秀夫。城定の愛と孤独、石井のエロスとタナトス、さらにバイオレンス描写までもが響き合う中、男と女の愛の切なさ、わからなさ、そして怖さまでをも滲ませた本作は、劇中、常に雨が登場人物たちを濡らしていたように、その衝撃と共に観客の心も濡らさずにはいないだろう。

出演
井筒しま 東出昌大 毎熊克哉
監督
:城定秀夫
原作・脚本
:石井隆
配給
:NAKACHIKA

STORY

突然だった。見知らぬ女が雨に濡れて立っていた―。

とある撮影スタジオ。撮影に立ち合っていたサブカル雑誌編集長の村木(東出昌大)は、今、週刊誌のスキャンダル記事で話題になっている「人気女優の仁科陽子がかつてエロ本のヌードモデルだった」ことについて「村木さんが発掘した女でしょ」と聞かれるが、「覚えてないな」答える。
しかし村木は知っていた。その女優は、かつてモデル募集の広告を見て編集部に面接に訪れた、当時大学生だった土屋名美(井筒しま)だということを。
3年前、その面接で、お金が必要だからヌードモデルも辞さないと言う名美を、村木はいったん帰宅させようとする。しかし、ちょうど編集部にいたフリーのカメラマンの川島(毎熊克哉)が、村木が席を外した隙を見て、カメラテストと称して名美に襲いかかったのだった。怒った村木は川島を排除し、いっとき名美と心を通わせ合うが、川島から村木には妻がいることを教えられた名美は、村木の前から姿を消してしまい・・・。