近日上映作品

ギィ・ジル監督作品『海辺の恋』『オー・パン・クペ』

4 / 17 [金] 公開

“忘れ去られたヌーヴェルヴァーグの名匠”ギィ・ジル。
60年代のフランスから届いた、あまりにも美しい恋と別れ────。
消えゆく青春と儚い愛を、静謐で詩的な映像に刻み込んだ2作品が、待望の日本公開を迎える。

ヌーヴェルヴァーグの陰でひっそりと花開いた、最も繊細なロマンティシズム。 ギィ・ジルが描くのは、美しい風景と若者たちの恋、そして切なくも抗えぬ別離の物語である。夏の海辺、パリの街角、港町の空気に漂うのは、青春の輝きと失われゆく愛の痛み。その映像は、時代の喧騒を越えてなお、普遍的な詩のように私たちに語りかける。  

長編デビュー作『海辺の恋』と、そして第2作『オー・パン・クペ』。
アルジェリア戦争後の時代を背景に、モノクロとカラーの交錯、写真やナレーション、音楽や長回しが溶け合い、愛と喪失の記憶を刻み込む傑作である。
遠距離恋愛の残酷さ、流れるように過ぎ去る愛、人生から静かにこぼれ落ちていくものたち───
その映像は儚さと甘美さを宿し、消えゆくものの美しさを珠玉の断章のように織り上げていく。

公開から60年。
忘却の時を経て、いま、ギィ・ジルの詩的な映像世界が新たな光を浴びる。
その最も美しい初期作2作品をぜひご堪能ください。


『海辺の恋』

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待つことが恋だった─
夏は二人を結びつけ、秋は二人を隔てる

夏のパリ。去年の夏に出会った水兵ダニエルを想い、ジュヌヴィエーヴは手紙を書き続ける。セーヌを歩いた一夜、語られなかった未来、返事の感覚が伸びていく季節。
彼女は待ち、彼は決められず、恋は静かにすれ違っていく。
愛しているからこそ、約束はできなかった─
それでも、待つことをやめなかった。

監督・脚本 ギィ・ジル
出演 ダニエル・ムースマン、ジュヌヴィエーヴ・テニエ、ギィ・ジル、ジュリエット・グレコ、アラン・ドロン、ジャン=クロード・ブリアリ、ジャン=ピエール・レオ 撮影:ジャン=マルク・リペール

『オー・パン・クペ』

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去ることが、恋だった─
時が止まったカフェに、愛の残響だけが揺れる

パリの小さなカフェ「オーパンクペ」。ジャンヌは、ジャンを待っている。家出と施設を繰り返し、”居場所”を知らずに育ったジャンは、幸福に触れるたび、それを壊してしまうことを恐れていた。
「君にふさわしくない」そう言い残し、彼は姿を消す。
残された記憶、拾い集められる痕跡、そして、知らされることのない死。
これは愛されたことに耐えられなかった青年と、最後まで信じた女性の物語。

監督・脚本 ギィ・ジル
出演 マーシャ・メリル、パトリック・ジョアネ、ジャン・ドワ・ベルナール、ピエール・フレデリック・ディティス、リリ・ボンタン

監督:ギィ・ジル

アルジェリア出身の監督ギィ・ジル(1938-1996)は、消えゆく青春と儚い愛を、静謐で詩的な映像に刻み続けた。20歳のときジャン=ピエール・メルヴィルの支援を受け初長編『海辺の恋』(1963)を完成。続く『オー・パン・クペ』(1967)では、マルグリット・デュラスから「これまでの映画で試みられたことのないもの」と絶賛。以降『地上の輝き』(1969)、『反復された不在』(1972)など、記憶と不在、愛と孤独をテーマにした作品を発表。